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ドクターは12月30日と誤記した――。

2019/12/17 20:08 閲覧数(659)
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 一日中雨だろうと長靴に傘で出かけたがぜんぜん降られず肩すかし、駅の改札では馬鹿餓鬼と揉めるし(ツマランことでカッとなる俺も似たもの馬鹿爺である)、一二週間ずうっと不調の右膝は歩くと軋むように痛み外出に嫌気がさしたが、今日は月に一度の通院日だから我慢して電車にゆられた。
 予約時間を五六分すぎたあたりに名前を呼ばれ診察室にはいりいつもの治療を受けたあと、次月の診療日を確認しあい薬の数を調整してもらいあとは帰るだけなのだが、先生はこのタイミングでよく雑談を挟む。俺が競輪をすることを知っている先生がギャンブルの話をふり、競輪の大一番は十二月三十日の競輪グランプリなのですと俺は返した。退室の直前に先生は「予約表」の紙片に次回の月日を手書きして俺に渡すから、その十数秒は会話も途切れ、俺は先生の指とボールペンが動くのをぼんやり見ることになるのだが、先生は間違えて予約表の空白欄に「12」月「30」日と記したのだ。俺は笑いそうになり先生ちがいますよ。あッ12月30日はグランプリの日でしたねと先生も苦笑いした。
 些細なこの一件で今年のグランプリは儲かるのではなどと、やはり馬鹿は死ななきゃ治らない。ま、若い頃とは云わずとも、せめて四十代後半の体調が戻るなら車券など幾らやられたっていいが、そんな虫のいい取り引きなんてあるわけないじゃんねぇ――!
 
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