四人が各々敵三人の捨てた牌から手の内を探る。相手の手牌を意識しながら自分の牌列を上がりに持ってゆくのが麻雀だとすれば、四人の中に他人の手を全然見ず考えずの人間が一人でも混じると、いきなりゲームは酷のないものと化す。
競輪はスポーツだからそのまま当て嵌められないにしても、似たものを俺は感じる。己の「脚力」のみに縋る選手が居る競走は買いにくい。そりゃ強いのは百も承知だがまるっきり無考え(に思える)のS級S班某より、どんなに強くても競輪は展開が肝なのだとわかっている武田豊樹の車券を俺は打つ気になる。
ゴール直後に松阪競輪場の実況者は発した。――ニクニク車券が果たして出たかどうか!
別に文句も何もないけど、今日は〈種目〉を替えよう、と固陋な俺はテレビのスイッチを切った。
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