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国道六号線

2014/05/17 23:13 閲覧数(1562)
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 俺のこの業界歴は〈黒競〉一年、〈青競〉二十五年である。
バイトと競輪半々の生活に不安を覚え、逃げ道として選んだのが競輪記者だった。適当な自己紹介と履歴書を〈専門紙〉数社に郵送し、唯一面接に応じてくれた〈黒競〉に潜りこんだはいいが、想像とは違う地味な内勤一年で嫌気が射した。飯田橋の社屋までの通勤途中、総武線の車窓から神田川の釣堀が見える。――辞めたらまずはあそこで釣りだな。全然深刻じゃなかったから気楽に他紙に移れたのかもしれない。
 俺如きの移動に冷ますほとぼりなどなかろうが、一応三カ月待機の後、〈青競〉の仕事を始めた。最初の現場は取手競輪場だった。たった一年の新人が消えたと思ったら同業他社だ。少なからずは風当りもあろう。いくら能天気な俺でも、関係者、他紙の先輩連への仕切り直しの挨拶に気鬱だった。取手駅を西に直進して国道六号線を跨ぐ歩道橋を昇る。橋の中途で左側を見ると真っ直ぐの道が利根川を越えて東京方面に延びていた。
 初心忘るべからず。あの日の景色が古手面した俺を戒める。

 取手全プロ記念競輪・最終日〈第十一競走〉思えば去年は深谷知から金子貴を軽視する車券ばかり買って、ことごとく「逆」を喰らった。今年もその「基本線」は崩していないけど……。深谷の「代役」を浅井康に見立て、浅井から「違うところ」だ。⑤⑨③と⑤③⑨の三連単。
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