昨晩(二十二日)の弥彦FⅠ決勝は野口裕史(千葉・111期)が本命人気の菊池岳仁(長野・117期)を捲らせず逃げきった。
十日ほど前、地元の松戸GⅢの準決で菊池にやられた野口が、今度は菊池の地元でやり返したことになる。
二人は初日から対戦している。ただ野口は援軍なしの単騎戦。慣れない中団確保のそぶりを見せたが自在っぽい川口聖二(岐阜・103期)に簡単にきめられ、ずるずる下がっていった。結果は大差のどん尻負け。ま、不器用な野口だから仕方ない。
決勝はうって変わり三人ラインの数的有利を得て仕掛けやすい番組となった。ずっと気になっていた二人だから――菊池の強さが毎日際だっていたこともあり――両者の表裏、いわゆる力車券にまとめた。野口のスタイルからして逃げ切り-マークの車券も必需に思えたが、敢えて切った理由はこうだ。
準決の野口は後ろがもつれるのを冷静に見ながらの逃走劇。野口-大塚玲(神奈川・89期)-土屋裕二(静岡・81期)の本線を、四番手から荻原尚人(宮城・89期)-須永優太(福島・94期)が内を一車、また一車と上がり、野口、荻原、須永の順で入線した。勝ちあがりの妙で決勝はそのまま三人でラインを組むことになった。
競ってでも並んだ野口-荻原-須永が決勝は初手からすんなり並ぶのだから買い。いかにも俺がとびつきそうなネタなのに手を出さなかったのは、前走車の内が空くのをじっと待ち、ちょっとでも空いたらすっと入る、そんな準決の荻原の小刻みな?競輪を好もしく感じなかったから。断っておくがこれは批判ではない。空いたら入る、隙あらば入るは、規則遵守の正当な策である。ただテレビ観戦だとどうしても見た目がなぁ……と固陋の俺は思ってしまう。むろん準決は荻原のイン粘りだ、などともし車券を買っていたとすれば、「もう一車」「空いた空いた」と同調することうけあいの俺だから、まるきり正邪の話ではない。
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