第六競走、竹内雄作-岡本総の仕掛けに一旦は置かれた富永益生だがさすが地元、勝手知る地元バンクを内内と巧妙に這入り連結し直した。
第十競走、表裏一本被りの取鳥雄吾-渡部哲男の捲りに車間が空いた太田剛司も地元の意地、四角付け回す様に本線三番手を護った。
第十一競走、皿屋豊-吉田敏洋-島野浩司が叩き返すと、四番手以下は大きく車間が空いた。島野にとっては予想以上に楽な三番手三着であったろう。
富永も太田も島野も豊橋で練習している《本当の地元》選手である。六番車が示す通り、大丈夫かなと、車券を買う側を迷わせる三番手、依りて◎〇からの三着も人気は散り気味だった。ふうむ、地元の六番車を信用する本線車券三発かあ……ぽつり呟いたとて後の祭りだけど、暗くはならない。
正直に申せば、六レースは岡本から富永の二着を買っていた。あと、十レースが終わった時に地元の六番車の三番手流込み《出現率》には気づいていた。けれども車券に手が伸びる事はなかった。ちょっと情けなくもあるが、矢っ張り気分が落ち込む事はない。
別にいいもの見たという訳ではないにしても、ほんのり暖かい心持なのは、生姜飴ばかり舐めてるせいだろう。
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