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はっけよい捲った

2023/10/16 16:30 閲覧数(423)
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 或る新人がA級の予選に乗っていて、チャレンジを九連勝で昇ってきたばかりだから人気にもなっていた。新人は後ろから割と緩慢に押さえようとして、いとも簡単に突っ張られ、中団に降りるそぶりを見せたが這入れず、六番手に戻ったけど、十一秒四のバックを取らない捲りで割と簡単に勝った。競走の途中から薄い記憶が起こった。この新人チャレンジでもけっこう捲りたがる選手だったかも知れない。ま、新人だから、昇班初戦だから、逃げなきゃいけない、などという規則などない。
 その新人が翌日の準決を走っていた。新人だけ三人ラインの三分戦である。新人だから、昇班緒戦の準決だから、逃げなければならない、そんなルールなどないのだが、ここは先行だろうとも思って見ていた。が、新人のレースの運びはほぼ予選と同じだった。ゆるゆると押さえにいく。突っ張られる。浮く。戻る。三四番手の先捲りを追っかけるような五番手捲りは、三着はあるか? と一瞬思わせたが四着まで落ちた。
 新人は先行しなきゃ駄目。新人は逃げて逃げまくって強くなる。と誰かは言うが、私も時折フレーズ丸ごと使ったりもするけど、箴言を護り有意義な選手生活を送った選手、そうはならなかった選手、先輩に評論家に何を言われようとつっぱね別の道――新人の時分から先行などにこだわらない――を選び成功した選手、それが逆目と出た選手と大括りした場合、四例の割合にはどんな数字が出るのだろう。
 最終日の敗者戦を前掲の新人が走っていた。準決に似た番組構成で、新人のラインだけ三人、自在屋先導の二人ライン、S級降りの先行が先頭の二人ラインの三分戦だ。前受けの自在屋を赤板で降ろした新人ラインが先行態勢に入った。おお、今開催初めて、昇班して初めての先行である。と思ったもつかの間、打鐘ですぐにS級降りが叩きに来た。どうする新人? イン粘りだった。それも実に中途半端な。終審で簡単にキメられてしまった。それでも三番手ならもう一丁捲りで勝負できる。新人がそう思ったか否かは存じないが、それどころではなかった。新人の後ろの選手が一車上がり新人を捨てた。もちろんその後ろも追従した。
 あっはっはと笑いはしなかったけれども、これだから競輪は面白い。さりとて、私がこの新人君を興味を持って追っかけるかといえばあやしい。おそらくすぐに忘れてしまうことだろう。忘れたころに「ああ、あの時の新人」となったりはするだろうが。
 駄文を連ねていたら無性にギャンブルがしたくなった。うん? 川口オートやってるの? なんだ無観客ナイターかぁ。

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