昔、地上波の公営ギャンブルの番組にたまに出ていた時、選手の名前を呼び捨てにすることは怪しからんと注進されたことがある。あとやさしくからかい半分に、すこしは笑顔をとアドバイスしてくれた人も居た。仏頂面よりはそうなのだろうと努力しようとはおもったが、笑顔をつくるのは存外にむずかしい。
若い女性が自然に笑顔を表せるのは才能なのか、それとも鏡を見ている時間の長さのたまものか。もしかするとこんな冗談口も何某かの差別であると叱られたりするのかしら――?
女性アナウンサーは笑顔の天才で、自慢の微笑みを電波の先に届け、本人の周囲にも撒くことが出来るから、色恋抜きにしてもその気になってしまう男性が頻出するのは今も昔も変わらない。
そして最近は、もしくはもっと以前からなのかもしれないが、男性アナウンサーも見事な笑顔で画面に登場する。アナウンサーだけじゃない。数か月ほど前の夜のニュースだったか、大きな会場で熱弁をふるう某大手自動車会社の代表が映り、始終しきりに歯を見せ笑顔を意識した振舞に、失礼だが俺は珍奇なぎこちなさを感じたのだった。
いつのまにか、日本中、人前に立つなら笑顔がたしなみとなったらしい。
競輪中継の放送席とて例外ではないらしく、時折、まるで習いたてみたいに歯を見せ、柔和な顔をつくる解説者を見かけることがある。
今年最初の特別競輪が開幕した日に、しかもついさっき、松浦悠士にしか出来ない「スタイリッシュな競輪」を見せてもらったばかりなのに、愚にもつかない、しかも失礼気味な雑感を掲載して申し訳ない。
附記――。今や男性が、微笑み教室というかスマイル・レッスンみたいなのを受ける時代になったのだろう、きっと。
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