皆様、こんにちは。
今日は、少し遅ればせながら、昨日の川口SGオールスター優勝戦を私視点で振り返ります。

まず、車券的には、昨日のコラムで示した前予想を軸に（本線は１－４＝５）、さすがにこの試走では中村雅も捨て難く、いろいろと肉付けしていった最後の最後の押さえによって２単：２－４をかろうじて拾う事が出来ましたが、それでもこのレースに投じた金額全体の半分弱を回収したに過ぎず、結果的には大ガミでした。

その予想や、その根拠となったレース展開想定、更にはちょっと体調が良くなかったので自宅で寝ながら見ていた点も含めて、いろいろ反省させていただきたい。また、この感動を文章にして発信したい。そう思いまして、（そう言えば普段書いていない）レース回顧を記す事にした次第です。

まずはスタート。何と言っても大外枠・荒尾の渾身のスタートが光りました。前予想コラムでも、内枠勢を飲み込むような目イチのスタートが脅威という旨の短評を示しましたが、正直トップスタートまでは無いと思っていました。やはり、どんなに機力が見劣りしようが、この選手のここ一番でのスタート力には注目しておかなければならないと、改めて感じました。

それでも、荒尾に続いて２番手に残してくれた青山周。この時点では、この位置なら機力差で早めにアタマに立てるだろう・・・そうなれば、残り周回は後ろを突き放して逃げるだろう・・・そう思っていました。試走タイムも、微差ながら１番時計、しかも１号車でのものですから、やはり機力評価では一番。これまでのSG優勝戦で見せられなかったハイペースの逃げを今日は見られそうだ、と思っていました。現に、前を行く荒尾の突破は早かったので、思い通り・・・かと思っていましたが・・・。

本当に「ただでは黙っていない」という言葉がピッタリの、先輩・中村雅の渾身の追走劇。２番手に立った時点で、殆ど自分の車券はガミかちょい浮きにしかならない状態であったため、ここからは車券的妙味というよりはレースそのものを追っていくような心境にチェンジしていました。青山周が放して逃げて、後は２番手争いか・・・久々にちょっと単調なレースになるかもな・・・等と事前に思っていた私に鉄槌を下すような、本気の追い込み、本気の捌き。結局のところ、青山周に劣らず中村雅も仕上がっていて、単にそれを予想の段階で見抜けなかっただけだった、という事でしょうが、さすがは仕事人。SG初制覇はまだお預けだとばかりに、先輩の華麗な捌きが光りました。

しかし、更にそれを盛り上げたのが、それで終わらなかった青山周の追走劇と、10周１角での渾身の突っ込み。おそらく本人も、ここしかないという絶好のタイミングで仕掛けられたと思ったはずです。更に言うと、多少無理な部分はあったのかもしれないけど、決して無謀な突っ込みではなかった事は、２角の立ち上がりで外に膨らまず、自分のコースをキープしていた事が証明しています。

ところが、そのインをまさにこじ開けようという、このレースで一番の意地と気迫を見せた中村雅。殆どスペースは無かったはずで、現にここでインに潜ったポイントが、内線突破の疑いとしてレース後審議にかけられています。
この審議はかなり長いものでしたが、結果はセーフ。その後CS中継でも流れた審議VTRを見ると、本当にギリギリの、もしかしたら、タイヤ幅でもう１つ分インに入っていたらアウトだったかもしれないと思われる程の絶妙なライン取り。
それでもまだ、外の青山周の方がほんの少し前に出ており、普通ならインが引かなければならない（そうしなければ外に飛ばされてアウトになる）ような状況の中でも、絶対に引かぬと言わんばかりの渾身の突っ込み・・・と言うよりは「ゴリ押し」という表現の方がしっくり来るような３角での仕掛け。それを結果的に成功させ、キッチリ４角を立ち上がってきた中村雅も見事なら、その気迫に最後は屈したものの、体制を大きく崩す事無く何とか踏ん張り切って入線した青山周もまた見事でした。

そして、そのバトルをすぐ後方でじっくり冷静に見据え、最後に間隙を突いて２着に上がった角南もまた見事なレースぶりでした。
やはり今節はスタートがかなり行けていました。中村雅には及ばなかったものの、やはり機力や捌きは一級品である事を証明してみせたと思います。

青山周は、これ以上無いレースであったと思いますが、やはり懸念材料は・・・、この展開でも勝てなかったという事で、依然SG優勝戦が鬼門になっている点でしょう。S1になり、ランキング上では頂点を極めたものの、S1レーサーであればやはり極めるべきはSGの頂。整備や走りの面で更に経験を積み、いつかその栄光を掴んで欲しいと思います。

そして、角南に関しての懸念材料は・・・、割と隠れた穴目でオイシイ存在でしたが、これから車券的妙味がちょっと薄くなる・・・という事でしょうか。