竹内雄作がガンガン逃げ、脇本雄太のカマシは数秒併され気味の態に思えた。「あとがないぞ」と心配すると同時に、強引に出っ切ったとして「先はあるか」と消耗を危惧する俺は、車券でしか競輪を見られない小心者であった。
ブンブン逃げる牽引役を使って番手捲り。そんな特別競輪にいささか食傷気味だった俺にとって、脇本雄太は希望の星だった。平塚のダービーに岸和田の高松宮記念杯――番手で楽をする選択肢もあっただろうに、眼中なしと先頭で風を切り、粘りに粘った。
今日の決勝の画は、競輪を知らない人にも、説明不要で競輪の凄味を伝え得る「貴重品」だろう。その別品VTRを幾度か見ながら麦酒が美味い俺だ。
附記――。浅井康太の三度のブロックも半端なく、見るたびに胸すく想いである。
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