十一月二十八日、日曜日の午後だ。三時三十七分発走の松山競輪第一レースは五車だての逃げ一車番組で、誘導員のうしろに唯一の先行安本昇平(山口・113期)、番手三番手を内側の芳野匠(愛媛・93期)-辰己豊(奈良・86期)と、外側は中山敬太郎(熊本・100期)-加藤昌平(福岡・90期)で最初から競り、ちなみに芳野は中四国だから当然番手、中山-加藤でジカ分断、辰己は「単騎」コメントだが、87点(芳野)と77点(中山)の競りだから、そりゃ強い(芳野)ほうに寄るのが自然だ。むかしの競輪みたいに誘導が二角手前まで引いた。ピッチがあがる前から中山がガンガン芳野に体を当て挑発しているみたいでおもしろかった。三番手も釣られるようにやりだした。芳野は負けられまい、番手の併走八割で観ていたら、いきなり三番手の二人が落車し、え? 目線をもどすと今度は番手の二人が安本に置かれてしまっている。う? 千切れた番手戦の決着はなんと中山が制した。中本の一人旅で第二先行同然の中山は苦しくなったのか車を外に振り、内を突いた芳野が二着に生き返った。しかし中山の三着は買えないぜよ――。
テレビのチャンネルを替え東京競馬場のジャパンカップ、一番人気のコントレイルが疾風の追込で有終の美を飾り、場内の興奮がちょっとだけ自室にも届いた。
あぁ、そういえば松山、と成績を見たら中山は三着失格で二車単は260円、三連単は全返還となっていた。ハハハ――笑っちゃいけないけど、笑っちゃった。
ふと考える。五車だてのお粗末な競輪の観戦者数と劇的なコントレイル引退レースの観戦者数の差はいかほどのものだろう(大差なんてもんじゃない)? でもね、一つだけならどっちを取ると問われれば、おれは五車の競輪のほうなのよ、どうしても。なんだか無性に車券が買いたくなってきた。
追記。つい先ほど武雄記念が終幕、荒井崇博の優勝はいいけど五十嵐力は持っていない(相変わらず下手だねえ)。
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