山形一気が内から伊藤旭に掬われた所から私の持っている車券の出現率は漸次低くなっていく。松本貴治はまさか内から来られるとは思いもしなかったのだろう、驚いた様に飛んで行って、ついに十%を切った。終審の村上博幸の落車でいよいよ投了、ぽかんとしながら山口拳矢の捲りを見ていた。
ほぼ二十四時間クーラーを点けているもんだから体の調子が悪い。手先まで冷え切った私にはテレビ画面の向こう側、灼熱の富山バンクに想像が及ばない。ポカもミスも大目に見るなどとは言わないが、色々な事に甚大な影響を及ぼす酷暑が、競輪選手のパフォーマンスを普段より落ち気味にさせたとしても不思議はあるまい。
話題を変える。
明日(四日)の西武園の第十一レースに小堀勘太(北海道・125期)の名前を見つけた。中中特進出来なかった小堀だが、最終盤の九連勝はすさまじく強かった。その小堀のS級初陣である。しかも小堀の番手は競りらしい。過去に、S級のデビュー戦で、後ろが初手から競りとなった選手が何人くらい居るのか見当もつかないけれど、ともかく稀有に近い事だろうから、走る方も見る方もいい想い出となりそうだ。
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