第三レースの小嶋敬二がひとりで仕掛けたのを見ていた。決勝は北津留翼の単騎のカマシ捲りをぼうっとしながら見ていた。「大宮競馬場」と揶揄されるほどデカい大宮バンクだ。誰だって逃げたくはない。誰もが休みたいところを果敢にいった北津留の勝負度胸が生んだ優勝だった。持っている「三-二」の出現率は全周回十%をこえることがない完敗だった。今ラジコで野村訓市の番組を聴きながら本稿を書いている。聴取者のメールが読まれリクエストされた曲がかかった。鈴木雅之の『ガラス越しに消えた夏』の旋律に作者の大澤誉志幸を聞きたくなった。放送を一度中断して『そして僕は途方に暮れる』をさがし部屋に流した。一度や二度、五十回百回やられても、俺は途方には暮れない。
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