表題の「S班初戦の落車が――」は、吉田拓郎の「準ちゃんが吉田拓郎に与えた偉大なる影響」から借用した。
高知記念の初日は犬伏湧也のS班デビューの日だった。結果落車の憂き目に遭ったが、残る三日間はおもしろいように終審カマシがきまった。第一歩の落車が与えた多大なる影響、なぞと記しても誰の賛意もえられまい。ま、筆者が勝手にはやし立てているだけのことだ。
清水裕友の楽ざしで、犬伏がぎりぎり残っている映像を見、うん? そうか。とつぶやきながらパソコンで調べた、というより確認した。三月初旬の玉野記念、中四国が六人乗って、地元三人と犬伏-清水-松浦悠士とに分かれた決勝である。正攻法にいながら終審で取鳥雄吾に叩かれた犬伏は、その後まくり返したものの(結果は三着)、後ろの二人をきびしい展開に置いてしまった。そう私の目には映った。
だから今日が「返礼」だったなどと述べるつもりはない。ただ、まだ一班だったひと月前の苦味を踏まえ、要は、一班-S班の連係からS班-S班の連係となる今回には、期するもの大であった。と、なぜ思い込めなかったのだろう。愚者の下手な予想を読んでくださった諸兄にはフザケルナと怒られそうだが、本気で悔いている己がいる。
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