私が受ける佐賀の山田兄弟の印象は、さわやか兄弟もしくはスマイル兄弟である。兄の英明が第五レースの七番車、弟の庸平が第六レースの七番車に組まれているのを見つけ、微かな惑溺をおぼえたが、どうやら両者とも◎のようなので、手を出すのをやめにした。
五レースは英明が嘉永泰斗を楽に差して本線で決まった。一番人気だった。六レースは、不発の伊藤颯馬を捨てた庸平が自らまくる展開となったので筋違い七番人気の決着だった。兄弟の連勝を欲目のない顔で見ていた私だったが、気づいてしまった。五レースも七-三-九、六レースも七-三-九、おなじ目じゃないか。
第七レース。纐纈洸斗の二着づけを買っていたのに、愛知-愛知の一-六は持っていなかった。ま、仕方ない。筋にはまるで気がなかったのだから。しかし次の第八レース、一番の松浦悠士から六番の脇本勇希へ大抜けの一万七千円余。一-六の目がつづいたものだから平静が動揺に変わった。
はやこの時点で一から九の数字に翻弄されている。ざわついた気分を押さえる応急措置を講じねばならない。決勝まで動かずにいよう。弱気の虫がおこった。
数時間経過。
決勝が終わった。
今さらながら、己の薄っぺらな競輪観に、気が塞いだ。第一に、寺崎浩平-古性優作の表裏を買い目にすえている時点で見えていない。むろん他にもそこかしこ的はずれだらけだった。穴があったらはいりたい。頭を垂れながら、恐縮しながら、口の端に掛ける、三度目の正直は「古性から寺崎じゃないところ」、それがお前(小生)ごのみの「反射神経」じゃなかったのか、と。
毎日競輪を見ている。いいレースもがっかりするレースもある。固陋の私には、こりゃ競輪にあらず、憤慨に堪えない場面にも出くわす。いきおい競輪が嫌いになる。だけど、今日の古性の、眞杉匠にぶち当たったあのブロック一発が、私の軀にたまった欲求不満を一気に解消させる。元のフラットな競輪好きに戻してくれるのだ。
附記。――どうせなら村田雅一の「確定板」を見たかった。かすりもしなかった敗残者の戯言である。
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