号砲直後のスタート順を見ながら、おッ、いいンじゃない、と内心おもった。
展転とする烈しいタテとヨコの競輪が、自分の車券にとってピンチなのかチャンスなのか、眞杉匠にチャンスなのか、それとも吉田拓矢にチャンスなのか、はたまた古性優作のチャンスなのか、よくわからなくなったけど、最後まで一縷以上の期待を抱きながら観戦できた。それはいいが、結果は眞杉-吉田のワン・ツー・フィニッシュ。私の予想の髄は「吉田から眞杉じゃない車券」だから、まったくの真逆である。ま、慣れっこの赤っ恥だけど、今日の赤っ恥はことのほか苦味が濃い。
昨晩(十四日)の野音(日比谷野外音楽堂)でSIONが歌っていた。♪チャンスをピンチに変える男――と。俺は聞きながら、妙な得心を覚え、しかし俺の人生、たいしたチャンスも訪れない代わりに、ひどいピンチを迎えたこともないのかしらん? そんな馬鹿なことを考え、にやついた。
今日の負けをピンチなどとは記す気はないが、解けない「眞杉匠がドンと逃げ吉田拓矢」なる呪縛は、以後のギャンブルにとって、厄介なハンデとなりうる。
追記。「下手な予想」&「やられての反省記」「駄目な予想」&「まとはずれの慨嘆記」「見徳の予想」&「だからどうした開き直り」etc、なんだか当欄、無限ループと化している。
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