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七分前の数的不利

2022/02/01 21:47 閲覧数(577)
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 早々と車券を買い込んで二センターの椅子席に座ると、頭上後方附近からけたたましい鳴き声、私の周りに人影はなく、カラス二羽と人間一人の数的不利の状況である。
 大宮競輪の最終レース五分前、まだ誰も来ない。一瞬皆帰ってしまったのかと寂しくなったが、そんな事あるわけがない。大勢は空調の効いた室内車券売場に居るのだろう。
 薄い青空、付き合う様な真っ白とは異なる白雲が綺麗だ。
 大昔、吉祥寺の日活でロッポニカの何んて作品だっけ、最終の上映に駆け込んだら客は私一人だけだった。と、記憶しているのだけど、後から脳内が面白おかしく書き替えているのかも知れない。
 三分前、やっと一人四角附近の金網に位置を取った。競輪をやり始めの頃、見る場所を確保するのに一苦労だった事を思うと、今は楽だが、寂しくもある。
 もうすぐ締切の段になり、ぽつりぽつりと金網派が集まり始め、二センターから四角とその向こう(記念競輪では行けた三角附近は今回はクローズとなっている)迄に十人居たかどうか。
 第十二レースのA級準決勝は、人気の藤田周磨-大矢崇弘が田頭寛之-長田祐弥に翻弄されて失敗、最後は藤田が猛然と来たけど、見た目で届いていない。
 すぐには立てず、ちょっとしてから席を立ち、下のテレビで払戻金を見た。さっきまで四角の所で「シュウマ、シュウマ!」と声を掛けていたアンちゃん(と云っても二十代後半か三十ちょっと過ぎ位の男、ま、私から見れば十分アンちゃんである)と目が合いそうになって慌ててはずした。門の方へ歩く男の落胆振りが後ろ姿で痛いほど分かり、昔の俺を見ている様で複雑な感興をもよおした。
 しかし競輪場に来るとよく食べる。普段苦手な人参も、場内の食堂の天ぷらなら美味い美味いと平らげる。だけど競輪場に来ると矢鱈珈琲を飲むから、差し引き胃と腸にはマイナスで、矢っ張り競輪は軀に悪い。

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