準決三つのうちの二つが意外にも一本棒に近い競輪となった。
第十競走はいかにも皆が町田太我の先行待ちの番組だった。しかし八番手の町田が金縛りに遭ったように動けない。全員さら脚とは言わないけど、佐藤幸治-荒井崇博-森田優弥-吉澤純平-飯嶋則之-新田祐大-須永優太-町田-阿竹智史で最終二角を回って、捲り合戦はあったとしても、番手荒井、三番手森田、四番手吉澤の順でゴールしたのだから、S級の上位戦では稀有な、ゆるーい一本棒だった。
第十一競走は、むりには突っぱらない太田海也、冷静に中団様子見の坂井洋、赤板から目一杯出たはいいが誰もこないので腹をくくった三谷竜生――諸々の作用と反作用が生んだ一本棒にも思えた。三番手から坂井-佐藤慎太郎の先捲り、六番手不発の太田だがなんとか「脚」で優参をはたした。
第十二競走は、粗っぽく走った上田堯弥と長島大介が大敗、細やかに走った松浦悠士と渡邉雄太がともに捲りをきめた。小原太樹は四角であおり(大塚健一郎に弾かれた柏野智典がふくれ飛んでくる)を食いながらも差し返しての三着だから出来自体は悪くない。
【玉野記念競輪優勝戦】一、松浦は別府ウィナーズカップを二着二着三着と未勝利の勝ちあがりで優勝している、そして今回も三着三着二着と類似の勝ちあがりである。
二、太田海也は自分が獲りたい、獲りにゆく、地元なのだから? まだ早いとは言わないけど、松浦悠士に荒井崇博と後ろはけっこう「重い」、むろん関東勢のブン回しなら成り行きで捲りもなくはないけど……。
三、その関東は自力-自力-自力の布陣で、それは自在-自在-自在とも、曲者-曲者-曲者とも表せるとするならば、適宜にすがたをかえられる彼らの作戦はけっこう悩ましい。が、やっぱり、月並みだけど、こう並んじゃえば先頭より番手、もしくは三番手を買うことになるだろう、私の性向としては。
四、いつでもどこでも単騎でも佐藤慎太郎を侮ってはいけない。だけどここでは頭からは買いきれない。
五、松浦だ、坂井だと思い込みはじめた私には渡邉雄太-小原太樹まで気が廻らない。
六、松浦を買うなら荒井崇博の二着は必需だろうとも思う、交わしの交わしだってなくはない。だけど太田の超スピード、関東作戦、位置のない佐藤……等々を鑑みるに、単純なズブズブ車券にはどうにも気が乗らない。
結論、①⑦を本線に①②、押さえに⑦①、②①と買います。
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