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アナザー・サイド・ストーリー

2024/10/03 20:05 閲覧数(151)
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〈熊本記念〉が本日開幕、特選競走には、招聘されたかのように、松浦悠士、深谷知広、山口拳矢、脇本雄太と四人のS班が名を連ねた。
 しかして記すのは、注目度の高い熊本のことではなく、今晩最終日を迎えた〈函館FⅠ〉の出来事である。
 昨日の第十レース。本線の林昌幸-松本貴治-坂本健太郎が別線の坂本周輝-岡田征陽-神山雄一郎をあっさり突っぱった。あぁ百六十円(ズブズブが一本被りだった)チャンチャンだなと思いきや、すかさず神山が内に入りするすると追いあげて坂本健太郎を退かしてしまったのだ。まァここまではよくあること、とは言わないが、競輪にはあってしかるべきことである。が、翌日の敗者戦にふたたび神山雄一郎と坂本健太郎が同乗したことにより風雲急を告げることとなる。番組制作者は今日の第七競走を、滝本幸正-岡田征陽-神山雄一郎の関東トリオ、照井拓成-荻原尚人の北コンビ、渡口勝成-坂本健太郎の三分戦に組んだつもりだろうが、渡口と坂本は並ばないと知り、がぜん興趣がおこった私である。坂本の神山に対する意趣返し? 
 本番。正攻法に滝本-岡田-神山。中団から照井-荻原-坂本-渡口で上昇すると滝本は突っぱった。坂本は計っていたように内から四番手に付ける。瀧本が山を作るように逃げる。岡田も神山も呼応して車を外にふりながらの追走だ。神山が外帯線をはずすのを待ってましたと坂本がすくって、隊列は滝本-岡田-坂本と変化した。ライン構成はすくなからず異なるものの、準決に酷似した展開を見せられ、それも神山と坂本の「役どころ」が入れ替わったような映像が目前に映し出され、私はえも言われぬ快感を味わったのでありました。
 雨降る函館の夜のアナザー・サイド・ストーリー。競輪はやっぱりおもしろい。

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