まずは準決三番に軽く触れる。
第九レース。新山響平になんの注文もつけずに「まっすぐ」走らせたらああいう結果――北トリオの独占劇――になる。
第十レース。ヨコができようとできまいと、大レースの準決のあの状況で車を下げる選手はいない。太田海也のことだ。結果大敗だろうと言うなかれ。引いて大敗よりちょっとだけでも中味はあった。太田と眞杉匠の併走によって松井宏佑に「捲り道」がひらけた。と記せば、十秒八で脇本雄太を捲った松井にたいして失礼にあたるか。
第十一レース。古性優作は是が非でも窓場千加瀬を残したい。だって脇本雄太がいないのだから。その「ミッション」を完遂するためには真後ろに位置した松浦悠士が当面かつ最大の敵だ。北井佑季の捲りに備える古性。古性がブロックに行くのを待ち構えながら内をうかがう松浦。気づいた古性が松浦を寄せたときガツンと音が聞こえた気がした。
【平塚オールスター決勝】新山響平が先導する北四人に対して、近畿両者も地元両者も叩き合いはしたくない。だけど窓場千加瀬も松井宏佑も下手は打てない。眞杉匠はとりあえず様子見だろうけど、このひとの様子見はただの様子見にあらず。勝負師の様子見である。
一、四人という大きな数的有利を勘定に入れても北ラインには車券の食欲がまるでおこらない。
二、古性優作は火の出るような体当たりをしてまで窓場を残した。抜いていないのだから「残した」は穏当じゃないかもしれないけど、言い替えれば、そこまで援護してもらった窓場の胸中は察するに余りある。近畿同期作戦で古性から。
三、北・対・近畿・対・地元のせめぎ合いを冷静に見すえる眞杉匠も買いたくなる。
四、地元の連係を近畿と同じようには思えない。松井は強い。今回とくに強い。松井-郡司浩平のセット車券はおおいにありだろう。が、地元万々歳の結末に乗るには私は捻くれすぎている。
五、最近はいろんなことを見たそばから忘れてしまう私だから、計五日間のレースもほとんど忘れ気味だが、三谷将太が山崎賢人を止めたブロック(意志があれば捲りは止められることの証左)と、眞杉匠が新山響平の番手の守澤太志を外から競り落とした「シャイニングスター賞」は記憶に濃く定着している。とりわけ「全員権利」のレースでの眞杉のあの凄まじい競輪にはおどろいた。感心もした。かっこいいと思った。
六、ということで⑤②を買います。窓場-古性-眞杉で並んでくれないかしら?
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