数年前、某地上波テレビの某スポーツ番組の小林優香(福岡106期)特集に出演する機会を得た。四谷駅近くに制作会社のスタジオがあり、そこでビデオ収録したものを編集して使わせてもらうという説明で、俺はけっこう張りきり、万全の予習にちょっとお洒落し出むき、カメラとマイクを前に喋りはじめたのだが、途中でディレクター氏と俺との雰囲気が怪しくなった。氏は、小林という女子自転車選手の強さの形容として「怪物」なる単語にこだわり、俺は、女子アスリートに怪物はあまり馴染まないと持論を返し、ちょっと揉めた。結局は、作品が「怪物・小林優香」を使うのは勝手であるが、俺はそんな発言をする気はない・間接的に俺の意見表示として構成することもしない、で落ち着いた。三十分以上一時間近く喋ったのかなぁ……。後日の放送を見た。番組の最初のほうに何十秒か映り何言か喋ったが、そのあと待てども待てども「俺の出番」はなかった。俺がベラベラ喋ったことなど挟む余裕まるでなしの編集だった。地上波の放送だから、母親や兄弟にも、出るからと知らせてあったのだが、翌日に届いた電話やメールは一応に腫れ物に触る雰囲気であった。
作り手の望むとおり小林優香=カイブツと折りあえば、俺の出演時間も少しは長く伸びたのかしら――?
今次の武雄記念の郡司浩平はまさに怪物である。正確に述べれば、三月二十七日・福井GⅡの二日目「毘沙門」競走、あと一周でカマシを打ったあの清水裕友を軽々捲ってしまった時点から、郡司の捲りは「怪物級」なのだ。
郡司が怪物なら松浦悠士はどう形容しよう。一昨日二次予選の松浦はまるで自分だけ「無風バリア」を纏っているみたいで、中バンクを楽~に踏みながら「前・後・左・右」を視認、いとも容易く野原雅也の番手に割りこむ様は、冷静に獲物を狙いながら飛翔する怪鳥の如くであった。
怪物級と怪鳥並! そんな囃し立てをしなくとも、俺が買うのは郡司と松浦の表裏車券ときまっているのだが、今回に限っては郡司がバケモノ的に強い!(怪物とバケモノは同意も私見はバケモノ>怪物である。)
あとは三着をどうするか――。大雑把に考えれば(というか、ここまで誰が逃げてとか中団は誰、スタートは? そんな競輪予想の要にまるで触れず了いなのだから、そもそも最初から最後まで大雑把だ)、「仕掛けなくちゃいけない?」山田英明-大坪功一や野原雅也-村上博幸より、「気楽にお好きにどうぞ?」の単騎=深谷知広、山崎芳仁に選び甲斐ありか。
『武雄記念決勝』は⑤③④と⑤③⑦を買います――。
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