甲「これ以上ない展開で一車身だからあきらめもつくだろう」
乙「たしかにこれ以上ない展開に見えるけどまったくこれ以上ないと言うわけじゃないんだ」
甲「なんだそりゃ。松井が失敗して無理無理岩本が捲って和田の差しとか考えていたわけ?」
乙「そうじゃない。そうじゃないけど、ほら、もっと和田が楽に回れるというか……」
甲「楽とか楽じゃないとか関係ない。単純に脚の差が出たということだ」
乙「だから、脚の差が如実に出る二段駆けじゃなくてね、あの、ええと……」
甲は私で乙も私だ。
松井宏佑が二周半突っぱった。岩本俊介は余裕で追走していた風だが、和田健太郎は随所随所で脚を削られているように見えた。とくに三谷将太を退かしたときは一瞬前との車間が空き、詰めるのに苦しそうだった。あそこは私も「削られる」思いだった。岩本が番手捲りを打っても抜ける雰囲気ではなかった。そりゃ買った車券は裏目一本だから、「それでもお願い差してくれ」と念じなかったと言えば嘘になるけど、今晩は声に出すことはなかった。
人間に賭けるな、じゃなく、竹林に賭けるな、で終幕した今年の滝澤正光杯だった。
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