久方ぶりの京王閣競輪場に違いないが、正確にはいつ以来なのだろう。前回来た時もう京王多摩川駅の競輪場側臨時改札は閉鎖されていたような気もするが、はっきりしない。ま、中何年だろうと中何ヶ月だろうと別に構うこともあるまい。今日で最後という可能性だって十分にあるのだから。
見事に快晴無風時々微風の京王閣記念競輪初日である。
好みの観戦場所である第二コーナー附近には立ち入れない。辺りの金網には参加選手を応援する横断幕が張られ目隠しになっている。コロナが先か横断幕が先か知らないけどつまらない。そのせいではなかろうが、第一コーナーがけっこう混んでいた。
第十一競走、左側の男性が「吉田ぁ~絶対逃げろよ!」――絶対の二文字を太字にしたいくらいの声援だった。(吉田有希にガンガン逃げてもらい鈴木竜士の差しからなら「連立」を組める)と馬鹿な冗談が浮かんだ。と右側のカップルの女性の方が「ちぎっちゃえ」とぼそっとつぶやいたのが聞こえた(あなたとは組めないけど、彼女なんかいいな……)。
最終レースの車券を買ったあと二階のベンチ――正門からずうっと真っ直ぐに来てそのまま階段を上がったつきあたりに設置してある――に座ってぼうっとしていた。さっきまで暑いほどだった体感は夕暮れが近づき一変涼しげだ。正門の方を見ると三本の旗が――真ん中には日章旗だ――はためいている。風が出て来たのだろうか。更に遠くの高架線路に視線を合わせると、京王線の電車の行き来が見える。といっても目に入るのは電車の屋根部分だけだ。今さっき行った電車の屋根は派手なピンク色をしていたが特別な車両なのだろうか。
うとうとして来たら締切間際を報せるベルが鳴り始めた。
さあ最終だ。
役者が違う古性優作に一瞬でも併せられた宿口陽一はすぐにでも叩き込まなきゃ。格上に競られそうになったら先制攻撃あるのみ。見ているときにはそう思ったものだが、おそらく筆者が言っていることは無理難題なのだろう。
終わってから「思いつけば買えた!」は筆者の十八番であるが、さすがに引っぱり役と目された眞杉匠の二着は買えない。ということもないよなぁ……やっぱり馬鹿は死ななきゃ治らない。
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