小田原の《三三》は穴バンクだ。一本被りの本命を蹴飛ばし十数通りの車券を買った。と、◎が下手を打って万車券、汗ばむ手でポケットを探る。しかし、買っているはずの車券が抜けている。何度確かめても当りのところだけを買いはぐっている。酷暑の帰路に足どり重く……。原典が見つからないので正確に記すこと叶わぬが、そんな内容のエッセイが阿佐田哲也にあったと思う。
小田原記念にはいくども遠征している。たいがい友人Oと一緒で一泊二日だった。駅から数分の安ホテルに泊まった。ホテルの近辺にどんなものがあったか、飯はどこで食ったか、よく土産のかまぼこを買った店の屋号は、いろんなことを思い出そうとするが、記憶に靄がかかっているみたいで《不安》を覚える。それでも、土産物屋が軒を連ねる商店街、暇つぶしに入ったパチンコ屋、丸井百貨店などの景が、ぽっと現れては消えた。
肩を落としながら真夏のおけら街道を歩いた。帰路、大道芸の蛇とマングースの闘いもどき――内実は薬売りだったのかしら?――を見物したこともある。阿佐田哲也氏も同じ道をとぼとぼ歩いていたと思うと妙にうれしい。
明日(二十五日)から今年の小田原記念がはじまる。遠征する気力も体力も、もうとっくに失せているけど。
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