松戸競輪に往くつもりだったのに、部屋の中でテレビやアクティブ・スピーカーや雑誌類に「寄り道」しているうちに身支度が遅れ、午前中から風の届けるエンジン音が迎えている気もしたし、歩いてゆける川口オートにあってないような予定を変更したのだった。
「いつも見守っていただき、ありがとうございます。今日もよろしくお願いします」――第十競走の締切前ごろだったか、『防災川口』から小学生の下校用の録音音声が流れて来た。今じゃもうあまりお目にかかれない、蛇口が十ずつ対面に並ぶ水飲み場はまだあったが、よく飲んだ珈琲スタンドは閉まっていた。このあいだ来たときにもうなかったのだったっけ――? 太目の猫がにゃーと鳴くと、見ず知らずの男がいきなり俺にあれは鳩を狙っているのだといった。二三メートル先を鳩が歩いていた。
試走タイムが発表される時にほぼ全員が集中する長くはないが瞬間よりは短くないあいだが俺は好きだ。場内放送とテレビ中継の両女性の「発表」が微妙にズレるのが可笑しかった。「今日は抜け抜け大抜け――どうも駄目だ」「33(の試走を)出しといて簡単に差されちゃうんだからなァ――」「さばきはやっぱり某がぜんぜん上だよ――」男二人の会話が楽しそうだ。一等最初の川口オートは二十代だろう。八王子からだったからやけに遠くまで来た感じがした。そのときはじめて聞いたカッコウ・ワルツが今日も聴こえている。ふと想う――俺はあと何回此処でこのワルツを聴けるのだろう。
さあ最終の発走だ。「スーパー・ハンデ」と新聞には記されているが、なぁに鈴木圭一郎に50メートルなど関係あるまい。誰かがフライングしたらしい。審判放送は二番車だと告げている。鈴木からいいところに抜けたら明日も来ようっと――。
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