ガールズの新人122期も、4月30日～6月13日の間に4戦開催される「ルーキーシリーズ」でプレデビューします。
その前の分析として、昨年の新人120期のデビュー期成績のまとめと、今年の新人122期についてデビュー後の初期成績（G指数値および競走得点）の予測を行いました。ご参照ください。

1. 昨年新人（120期）のデビュー期成績まとめ

昨年デビューした120期生のデビュー期成績を下にまとめました。

• 対象選手：120期 21人
• 対象期間：デビュー期（2021年7月～12月）
• 総レース数（延べ数）：802個　

1-1. 競走得点、勝率・連対率 および 優勝回数

120期全体のデビュー期の平均競走得点、勝率・連対率、優勝回数を集計しました。
比較参考として、過去5年分の新人デビュー期成績も併記しました。

表1-1. デビュー期の平均競走得点、勝率・連対率、優勝回数

120期全体のデビュー期の平均競走得点は48.06点で、最も低かった118期の48.73点を大きく下回り、過去最低点を更新しました。
在所時記録回の200FDタイムの期平均は過去で最も速かった（12.39秒）のですが、最近は在所時の平均タイムとデビュー後の期全体成績は無関係になったようです。
デビュー期の競走得点が最も高かったのはゴールデンキャッパーの吉川美穂選手でした。しかしデビュー期の優勝はなく、点数の53.79点も期トップの成績としては過去最低点となりました。
デビュー期内の優勝は6回で、個人としては内野艶和選手がただ1人の複数回（2回）優勝者でした。

男子の場合は養成所でのタイムが上がってきたのに伴いデビュー期の成績も年々高くなってきたのですが、逆にガールズではデビュー期の成績は年々低くなってきています。ガールズケイリンも開始から10年となり、ガールズの選手層が厚くなってきたのが、新人の成績低下の主な要因だと思われます。

2. 120期デビュー初期成績の予測値vs実績値

昨年4月の新人分析「ガールズ120期デビュー後初期の成績予測」で120期のデビュー7場所後のG指数値および競走得点を予測しましたが、予測値に対する実際の実績値の散布図を下に示します。
なお昨年はルーキーシリーズが1戦増え（全4戦）、120期はルーキーシリーズを4戦する選手も出てきました。よってG指数・競走得点の実績値は、「ルーキーシリーズを2戦分に換算＋本デビュー後5戦」とし、本デビュー後の開催数が全選手同一となるよう補正しました。

予測が的確であれば、水色の実線および緑の実線を中心とした分布になるのですが、実際は散布図の丸点のような分布でした。
前回（118期の予測値vs実績値）と比べるとバラツキが大きく、0.9を超えていた予測値と実績値の相関係数は今回はG指数で0.79、競走得点で0.77となり随分と低下しました。
それぞれの破線が分布の回帰直線です。実線と比較すると傾きに差が生じています。

3. 122期デビュー後の初期成績予測

上の散布図では前回の予測は前々回に比べると精度が落ちているのですが、まだまだ予測値と実績値には強い相関があるレベルで、今回も前回・前々回と同じパラメータ（養成所での競走得点偏差値に期全体タイムの補正値を加えたもの）を使用した一次式（ \(y=ax+b\) ）で、傾き \(a\) と切片 \(b\) の修正だけを行ないます。
来年の確認でさらに精度が落ちているようでしたら、その時に予測方法の全面的な見直しを行ないたいと思います。

今年デビューするガールズ122期のデビュー後の初期成績を予測します。
ここで言う「デビュー後の初期成績」とは次のものです。

基本的には昨年の118期予測に用いた予測式を利用しますが、予測式の直線が上散布図の実線（120期用の予測式）と破線（予測値と実績値の回帰直線）の中間となるよう係数を修正します。
作成した初期G指数の予測式および初期競走得点の予測式は次のとおりです。

122期の、上式の \(Av2T\)（期全体の200mFDタイム平均値）は 12.56 秒です。速かった118期・120期よりやや遅くなり、116期と同タイムでした。

養成所成績に上式で計算した「デビュー後初期のＧ指数および競走得点の予測値」を付加し、養成所成績が高い順（＝予測値が高い順）に下の表3-1 に並べました。

養成所成績1位は又多風緑選手（石川）、2位はの小泉夢菜選手（埼玉）、3位は河内桜雪選手（群馬）でした。
卒記チャンプの畠山ひすい選手（北海道）は4位でした。
残念ながら122期にはゴールデンキャップ獲得者はいませんでした。

ちなみに男子新人選手の場合、養成所成績を評価する指数として 次式の 総合点（\(ZScore\)）を使用します。

参考データとしてこの式で計算した総合点も下表に付加しました。
選手のパワー（自力選手としての脚力）を予測するには、在所時の競走得点より総合点のほうが優れている指数だと思います。

総合点1位は競走得点もトップの又多風緑選手、2位は卒記チャンプの畠山ひすい選手、3位は池上あかり選手（福岡）でした。

又多風緑選手の総合点は現在の計算式を適用した114期以降では最高点です。在所時の競走訓練の勝率は82.2%となるのですが、これも相当高い数値で、歴代では104期石井寛子選手の91.2%，106期小林優香選手の86.2%，102期の加瀬加奈子選手82.4%に次ぐ4位ですが、108期以降では抜けた数値です。デビュー後の活躍が楽しみです。

表3-1. 122期 養成所成績とデビュー後の初期成績予測値