遠山競輪研究所

119期デビュー後初期の成績予測( 2021/04/28 )

今年の新人119期も7月の本格デビューの前に、5月・6月の新人選手同士の対戦「ルーキーシリーズ」でプレデビューします。
その前の分析として、昨年の新人117期のデビュー期成績のまとめと、今年の新人119期についてデビュー後初期の成績予測(デビュー7場所後のG指数および競走得点)を行いました。ご参照ください。

以下目次項目

1. 昨年新人(117期)のデビュー期成績まとめ

昨年デビューした117期のデビュー期成績を下にまとめました。

対象選手:
117期 72人
対象期間:
デビュー期(早期卒業者は 2020年1月~6月、 通常卒業者は 2020年7月~12月)
総レース数(延べ数):
2,453個 (内訳:チャレンジ戦 2,028個、A12班戦 385個、S級戦 40個)(※1)

※1)内訳:チャレンジ戦 2,028個、A12班戦 385個、S級戦 40個

1-1. 競走得点、勝率・連対率、および 特昇人数・優勝回数

表1-1に117期全体としてのデビュー期の平均競走得点,勝率・連対率,特別昇班・特別昇級した選手数,各クラスでの優勝回数を集計しました。
比較参考として、過去5年分の新人デビュー期成績も併記しました。
過去の新人としては少数精鋭の107期が競走得点,勝率・連対率とも最高だったのですが、117期は両方の記録を更新し、過去最高となりました。
A2班への特昇人数も昨年115期の16人を大きく更新し、23人となりました。S級への特別昇級も115期の最高記録4人と並びました。
また117期はデビュー期内に延べ5回ものS級優勝を達成しましたが、具体的な選手名等については次の項目で紹介します。

表1-1. デビュー期の競走得点、勝率・連対率、および 特昇人数・優勝回数
卒業期117期(72人)115期(69人)113期(68人)111期(61人)109期(50人)107期(34人)
全選手の平均競走得点79.6178.0076.4876.2576.8978.44
全選手の勝率・連対率53.4% 70.0%49.3% 67.8%47.3% 63.2%46.4% 62.1%42.7% 60.0%51.0% 65.0%
チャレンジ戦勝率・連対率50.1% 67.9%48.8% 67.5%46.0% 62.3%45.3% 61.5%41.1% 58.8%50.4% 64.7%
優勝回数152回150回135回130回89回89回
A12班戦A2特別昇班数23人16人12人13人15人10人
勝率・連対率69.4% 80.5%72.0% 81.4%59.8% 69.8%54.2% 69.2%56.4% 68.0%56.4% 68.0%
優勝回数50回16回18回20回23回17回
S級戦S2特別昇級数4人4人1人2人2人3人
出走数-1着-2着40 - 27 - 430 - 12 - 81 - 0 - 03 - 2 - 07 - 3 - 017 - 5 - 4
優勝回数5回2回0回0回0回0回
1-2. 特別昇班・特別昇級した選手、およびS級優勝した選手

117期でデビュー期内にA2班へ特別昇班した23人、さらにS級へ特別昇級した4人は次のとおりです。

表1-2. デビュー期内の特別昇班・特別昇級
 人数選手名
A2班への
特別昇班
9連勝で昇班21菊池岳仁(長野)、寺崎浩平(福井)、青野将大(神奈)、松岡辰泰(熊本)、町田太我(広島)
櫻井祐太郎(宮城)、山口拳矢(岐阜)、阿部将大(大分)、松本秀之介(熊本)、長田龍拳(静岡)
土生敦弘(大阪)、犬塚貴之(愛媛)、石原颯 (香川)、伊藤旭 (熊本)、小笠原光(岩手)
坂本紘規(青森)、緒方将樹(熊本)、鈴木陸来(静岡)、青柳靖起(佐賀)、久田裕也(徳島)
畝木聖 (岡山)
レインボーFで昇班2下井竜 (三重)、渡邉雅也(静岡)
S級への特別昇級4寺崎浩平(福井)、山口拳矢(岐阜)、町田太我(広島)、鈴木陸来(静岡)
S級戦優勝2寺崎浩平(福井) 4回 、 山口拳矢(岐阜) 1回

デビュー期内にS級優勝者が出たのは115期が始めてだったのですが(坂井洋選手と高橋晋也選手)、117期でも寺崎浩平選手(福井)と山口拳矢選手(岐阜)の2名がデビュー期内にS級優勝を達成しました。特に寺崎選手は制度上最短となるデビュー7場所目のS級優勝を実現し、さらに優勝を重ねてデビュー期内V4を達成しました。
特別昇班・特別昇級の人数、S級優勝の回数でも117期は過去最高の成績でした。

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2. 117期デビュー7場所成績の予測値vs実績値

昨年4月の分析記事「117期生デビュー期の成績予測」で、デビュー7場所後のG指数および競走得点を予測しましたが、予測値に対する実際の実績値(デビュー7場所後のG指数・競走得点)の散布図を下に示します。
なおこの散布図には、成績予測を行なっていない早期卒業者の寺崎浩平選手と菊池岳仁選手のデータは含まれていません。

実績値が予測値どおりであれば、水色の実線および緑の実線上にのるのですが、実際は散布図の丸点のような分布でした。
もちろんバラつきはあるのですが、ある程度上手く予測できていると思います。
G指数の予測値と実績値の相関係数は0.78、競走得点の予測値と実績値の相関係数は0.76でした。それぞれの散布図の破線が分布の回帰直線であり、117期の予測直線(実線)とは若干のズレがあります。119期のデビュー後初期の成績予測には、予測式をこの回帰直線に近づくよう修正して使用します。

G指数7場所後の予測値vs実績値 競走得点7場所分の予測値vs実績値

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3. 119期デビュー後初期の成績予測

3-1. 在所成績の評価

今年デビューする119期のデビュー7場所後(※1)の成績(G指数値および競走得点)を予測します。
  ※1) デビュー7場所後 --- 7月デビューして7場所後の点数ですが、5月・6月のルーキーシリーズの成績も含めた点数です。

まずは例年どおり、競輪選手養成所での成績を評価する総合点(\(ZScore\))を計算します。
(2018年6月の分析「111期生在校成績とデビュー期成績の関係調査」で求めた計算式です。)

総合点の計算式 \[ ZScore = (1.1×ZrtP)+(2.5×ZrtB)-(85×Z2tm)+(50×(Av2T-11.49))+1270 \]
\(ZrtP\)
競走訓練における連対率
\(ZrtB\)
競走訓練におけるバック取得率
\(Z2tm\)
在所中の 200mFD最高タイム
\(Av2T\)
同期全体の 200mFD最高タイム平均値

総合点が高い順に119期選手の在所成績を下の表3-1 に並べました。

総合点1位は徳島の犬伏湧也選手でした。学生時代は野球部で適性での養成所入学ですが、200mFD・400mFDのタイムは1位で、競走訓練では積極的な自力戦を貫きながら勝率67%・連対率81%という抜けた成績を挙げました。3000mTTが苦手で惜しくもゴールデンキャップは取れておらず、卒記チャンプでもないのですが、総合点617点は現在の計算式を適用した111期以降では最高点となりました(ただし早期卒業者の117期寺崎選手と菊池選手は計算の対象外)。相当な活躍が期待されます。

総合点2位は岡山(出身は鳥取)の山根将太選手でした。2019年インカレで総合優勝した時の中央大学自転車部のキャプテンで、自身もトラック全種目(スプリント、1kmTT、チームスプリント)1位という成績を残しました。在所時は第2回記録会でゴールデンキャップを獲得しました。競走訓練の在所成績は8位ですが、バック回数は犬伏選手に次ぐ30回で積極的なレースに徹しました。

総合点3位は岐阜の志田龍星選手でした。高校3年から自転車競技を始め、朝日大学自転車部で活躍しました。在所時は第2回記録会でゴールデンキャップを獲得しました。在所成績は犬伏選手に次ぐ2位で、卒記レースは準優勝でした。

卒業記念レースは桑名僚也選手(埼玉)が絶妙のタイミングで捲くり決めて優秀しました。日体大自転車部出身で、競走訓練では捲くり・追込みを主戦法として在所成績3位でした。
2度のゴールデンキャップを獲得した木村皆斗選手(茨城)は、2019年インターハイのスクラッチで優勝しています。
リオ五輪代表(オムニアム)で入所当初から注目を浴びていた窪木一茂選手(福島)は、在所中は第2回トーナメントで優勝しました。中長距離の第一人者ですから3000mTTのタイムは当然1位でした。(残念ながら113期 橋本英也選手の在所記録には及びませんでした)

119期からはゴールデンキャッパーが7人も出ました(表3-1 の背景がオレンジ色の選手)。上記以外にも力ある選手が多くいます。去年卒業の117期に続いて119期もデビュー後は大活躍するでしょう。

2019年インターハイの男子ケイリンで優勝し、入所時注目された邊見光輝生徒(福島)は卒業はしたのですが、119期選手として登録されていません。「競輪選手資格検定」に合格できなかったのでしょうか?であれば来年の資格検定を受けて来年7月デビューでしょうか?(今年12月に資格検定があれば来年1月デビューも可能?)

3-2. デビュー後初期の成績予測

上式の総合点を基にデビュー7場所後の競走得点とG指数を予測します。
基本的には 2018年6月の分析「111期生在校成績とデビュー期成績の関係調査」の(1-2)式(1-3)式を利用しますが、今回は予測式が図2-1 ,図2-2 の回帰式(破線の直線式)に近づくようパラメータ修正します。
次式で算出し、表3-1 に付加しました。レース予想の参考データとしてご利用ください。

初期G指数値の予測式 \[ Giscore = 11.95×Ln(ZScore-200.0)-28.63 \]
\(Giscore\)
デビュー7場所後のG指数
\(ZScore\)
在所成績の総合点
初期競走得点の予測式 \[ Riscore = 9.993×Ln(ZScore-200.0)+26.51 \]
\(Riscore\)
デビュー7場所後の競走得点
\(ZScore\)
在所成績の総合点
表3-1. 119期 在所成績とデビュー7場所後の成績予測値 
(背景がオレンジ色の選手はゴールデンキャップ獲得者)
総合点
順位
選手名年齢府県在所成績デビュー7場所後
出走
回数
1着
2着
3着

回数
決まり手競走得点200m
タイム
総合点G指数
予測値
競走得点
予測値
得点順位
1犬伏 湧也25徳島4832733310244181.31110.51秒617.043.4686.80
2山根 将太23岡山502438308144178.90810.55秒561.741.7785.38
3志田 龍星23岐阜492597286234180.71210.73秒556.241.5885.22
4上野 雅彦19香川4817129200198279.60510.85秒497.439.4383.42
5中島 詩音23山梨4989916176377.001810.74秒455.937.6381.92
6鈴木 浩太24千葉5016164134157679.18611.01秒448.637.2881.63
7上遠野 拓馬27宮城4989816483276.082410.98秒435.536.6481.09
8木村 佑来19宮城44138591810277.861210.80秒434.736.6081.05
9渡口 勝成23山口5016711142109279.06711.00秒434.736.5981.05
10石塚 慶一郎19和歌山44161310801011880.34410.97秒434.636.5981.05
11木村 皆斗19茨城46118911185578.45910.83秒433.736.5581.01
12橋本 壮史26茨城5013610120116277.221610.98秒417.635.6980.30
13桑名 僚也23埼玉5023116701019580.38311.09秒416.235.6280.23
14吉田 有希19茨城491410863611477.731310.82秒413.835.4880.12
15窪木 一茂31福島491510260911578.021110.89秒410.135.2879.95
16田口 勇介20秋田4556811081275.662710.96秒405.535.0179.72
17上杉 嘉槻23福井507768136475.882610.78秒403.634.9079.63
18金田 涼馬22神奈川339136172075.902510.89秒402.234.8179.56
19村瀬 大和19岐阜5043413132172.645310.93秒400.434.7179.48
20大槇 大介25岡山4549911017577.171711.11秒397.634.5479.33
21梶原 大地23福岡4787370110475.063410.88秒396.634.4879.28
22新村 穣27神奈川4824410212172.855110.88秒390.134.0878.95
23北井 佑季31神奈川4817010320372.585510.94秒389.634.0478.92
24堀江 省吾24長野4889138068377.341511.07秒388.733.9978.88
25徳田 匠24京都481411972811478.251011.29秒383.233.6378.58
26北川 大成20熊本48410146025776.752011.02秒375.733.1478.16
27中込 健太25秋田493317023172.485710.90秒371.732.8677.93
28山崎 航26山口455486061275.173111.00秒369.432.7077.80
29近藤 翔馬23愛媛453967005774.334311.20秒365.332.4177.55
30米嶋 恵介29岡山504765034475.123210.99秒364.132.3277.48
31菅野 航基20宮城4685104172376.322311.16秒353.331.5176.80
32松本 憲斗24熊本4841174024976.971911.20秒352.331.4376.73
33深瀬 泰我28静岡4757100009377.461410.91秒349.831.2376.57
34福元 啓太24大阪482495032174.374211.05秒349.631.2176.55
35栗本 武典24千葉442963014674.613711.12秒348.431.1276.47
36谷口 力也23熊本455941026675.063311.07秒347.931.0876.44
37牛田 樹希斗22愛知441637021471.776111.28秒347.531.0576.41
38佐藤 啓斗24青森473350022274.404110.79秒345.930.9276.31
39田川 翔琉23熊本486842027574.893511.16秒343.030.6776.10
40塚本 瑠羽23神奈川506754055375.482911.25秒341.430.5475.99
41梅田 加津也27神奈川435780016576.342211.04秒341.330.5475.99
42橋本 凌汰20岡山470652112273.444711.00秒338.730.3175.80
43小池 千啓23栃木502214002272.065911.05秒338.630.3075.79
44佐藤 竜太20愛知501745003573.464611.24秒336.330.1075.62
45平山 優太21福島484861025575.273011.19秒330.629.5975.20
46山本 浩成22福岡484692025376.352111.20秒330.429.5775.18
47入江 航太19熊本420310000371.926010.93秒327.929.3474.99
48荻原 寿嗣26北海道443341021372.755211.11秒325.429.1074.79
49邊見 祐太24新潟431133010171.676311.19秒320.528.6374.39
50久保 光司24佐賀481150001171.436610.98秒320.328.6174.38
51石田 拓真19愛知501471013173.504511.12秒319.928.5774.34
52岩城 佑典21愛知4728110006475.572811.21秒319.628.5474.32
53菊池 翔26福島502663011674.543811.37秒315.228.0973.94
54田村 大23宮崎433351104173.674411.26秒313.127.8773.76
55大高 彰馬22福島501770003574.424011.22秒313.027.8673.75
56中嶋 樹19大阪471113020071.536411.26秒312.627.8273.71
57上野 恭哉23福岡5003112002174.443911.23秒311.127.6673.58
58林 昴19福岡480230000270.586911.10秒310.127.5673.49
59高橋 綜一郎24大分503641024373.404811.35秒309.127.4473.40
60白井 優太朗19広島470440000473.045011.19秒307.327.2473.23
61川藤 幸大23熊本490331002171.716211.23秒306.327.1473.14
62吉田 悟27熊本470340001271.216711.23秒301.526.5872.68
63原井 剣也27福岡500340001272.585611.27秒297.726.1272.30
64林 昌幸18愛媛491041001070.756811.28秒297.626.1172.29
65阿部 龍也28山口500190000172.265811.31秒289.925.1371.47
66近藤 武寿34静岡470120000170.177011.35秒286.624.6971.10
67川野 深23福岡470250000272.595411.40秒284.724.4270.87
68疋田 力也20愛知441330001371.456511.47秒284.124.3370.80
69神開 一輝27福岡460340000373.154911.54秒275.323.0269.70

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