遠山競輪研究所
短期登録選手参戦レースの結果検証(ガールズ編)( 2019/08/07 )
今年(2019年)は4月から5月にかけて女子の短期登録選手(外国人選手)がガールズレースに参戦しました。
今年の短期登録選手の成績 および 参戦レースの結果のまとめを行い、4月の分析記事「外国人専用車券戦術(ガールズ編)」に記載した車券戦術で車券購入した場合の回収率等を検証します。
2019年の短期登録選手成績
今年は来日3回目のロリーヌ・ファンリーセン(オランダ)とナターシャ・ハンセン(ニュージーランド)、来日2回目のマチルド・グロ(フランス)、そして初来日となるマダリン・ゴドビー(アメリカ)の4選手が参戦しました。
4人の今年の成績を下表にまとめました。
表中の「オッズ支持率」は2車単オッズにおける1着支持率の平均値です。レースの「勝率」と比較して高いほうの背景をピンクにしています。
例年同様[※1]成績が良い短期登録選手(グロ、ファンリーセン、ハンセン)の場合、「オッズ支持率」より「勝率」が高くなりました。
最も期待されたモートン選手が来日中止となったこともあり、今年は勝率90%を超える選手はいませんでした。
※1.「外国人専用車券戦術(ガールズ編)」の2017年~2018年の短期登録選手成績を参照。
2019年個人成績 (平均競走得点が高い順にならべています)
選手名 | 国 名 | レース 数 | オッズ 支持率 | 勝 率 | 連対率 | 優勝 回数 | 平均競走 得点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
グロ | フランス | 13 | 72.6 | 76.9 | 100.0 | 2 | 57.23 |
ファンリーセン | オランダ | 13 | 73.6 | 84.6 | 84.6 | 3 | 56.76 |
ハンセン | ニュージー | 15 | 62.5 | 73.3 | 86.7 | 2 | 56.53 |
ゴドビー | アメリカ | 15 | 53.2 | 46.7 | 66.7 | 2 | 55.33 |
注)オッズにおける1着支持率は オッズ倍率からの換算値であるため若干の誤差を含みます。
短期登録選手出場レースの結果
単連絡み率と2車単・3連単車券の配当
今年の短期登録選手が出走したレースにおける、短期登録選手の 単・2連対・3連対への絡み率、及び2車単・3連単配当値を調べました。例年との比較のために2017年,2018年の数値と併せて表記します。
短期登録選手の単連絡み率と2車単・3連単配当値 (対象レース:短期登録選手が出場したガールズ戦)
年 | レース 数 | 短期登録選手の比率 | 2車単配当 | 3連単配当 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 2連対 | 3連対 | 中央値 | 平均値 | 最低値 | 最高値 | 中央値 | 平均値 | 最低値 | 最高値 | ||
2017 | 35 | 85.7 % | 97.1 % | 100.0 % | 210 円 | 485 円 | 110 円 | 3,610 円 | 480 円 | 1,505 円 | 170 円 | 11,440 円 |
2018 | 60 | 90.0 % | 95.0 % | 96.7 % | 200 円 | 682 円 | 110 円 | 7,610 円 | 735 円 | 2,641 円 | 180 円 | 29,800 円 |
2019 | 48 | 81.3 % | 91.7 % | 95.8 % | 410 円 | 2,497 円 | 120 円 | 56,130 円 | 955 円 | 9,992 円 | 200 円 | 260,920 円 |
短期登録選手が1着となった比率、および2連対・3連対に絡んだ比率は、例年より低めの数値となりました。
それに伴い、2車単・3連単の配当額は中央値・平均値ともに例年より高めとなりました。
モートン選手が来日中止となったこともありますが、日本人選手のレベルが上がってきたこともこれらの要因にあるのでしょう。
例えば、4月28日伊東競輪場で行なわれた「ガールズケイリン インターナショナル」にはファンリーセン選手とグロ選手が参戦し、オッズにおける単支持率も1位はファンリーセン選手、以下 → 106期の小林優香選手 → グロ選手 と続きましたが、Vを決めたのは小林優香選手でした。2着はグロ選手、3着は112期の太田りゆ選手で、2車単 800円、3連単 6,940円 でした。
(ちなみにこのレース、Gamboo予想サイトのG指数値は小林優香選手が1位、グロ選手が2位、ファンリーセン選手が3位でした。)
1→2着の内訳
短期登録選手が出場した48レースの、1→2着の内訳は次のとおりでした。
例年と比較[※2]すると、今年は日本人選手が善戦しました。
※2.「外国人専用車券戦術(ガールズ編)」の短期登録選手出場レースの分析1を参照。
1→2着の内訳 (対象レース:2019年 短期登録選手が出場したガールズ戦 48個)
レース内の 短期登録選手人数 | レース 数 | 1→2着の内訳 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
外→外 | 外→日 | 日→外 | 日→日 | 外→外 外→日 日→外 日→日 | ||
2 人 | 8 | 3 | 3 | 2 | 0 | 37.5% 37.5% 25.0 |
1 人 | 40 | ― | 33 | 3 | 4 | 82.5% 7.5 10.0 |
注)表中で1文字表記の 「外」は 短期登録選手(外国人)のこと、「日」は日本人選手のこと。
車券戦術の実践結果
車券戦術
4月の分析記事「外国人専用車券戦術(ガールズ編)」で、2017~2018年の短期登録選手が出走するガールズレースを分析した結果、回収率100%を目指す車券戦術として、以下条件の2車単および3連単の車券購入を提案しました。
- 1着条件: G指数差1(注3)が -2.0 ~ 4.0 の短期登録選手
- 2着条件: 他選手のG指数順位が 1位または3位で、かつ内枠(1~3番車)の選手
- 3着指定: 他選手のG指数順位が 1位~3位の選手
- 2車単車券---上の1着条件,2着条件に該当する選手を1-2着に指定した2車単。
- 3連単車券---上2車単から3着条件該当選手への3着流し。
(注3) G指数差1 = 短期登録選手(複数出走の場合はG指数上位の選手)と、その選手を除いてG指数最上位の選手とのG指数の差
今年の実績
これを今年のレースで実践した場合の的中率や回収率はどうだったのでしょう?
次表に実績をまとめました。
2019年「外国人専用車券戦術(ガールズ編)」適用の実績
対象: 2019年4月~5月の短期登録選手(ガールズ)が出走した 48レース
車券種類 | 条件該当 レース数 | 平均購入 本数 | 的中数 | 的中 平均配当 | 的中率 | 回収率(注) | 損益(注) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2車単 | 27 | 1.33 | 6 | 586.7円 | 22.2% | 120.9% | 565円 |
3連単 | 27 | 2.67 | 5 | 1148.0円 | 18.5% | 99.5% | -13円 |
注)ここでの回収率・損益は 1レースの車券購入額を100円として計算しました。
したがって購入本数が4本の場合は1車券の購入額は 25円とし、 100円未満も有りで計算しています。
今年の実績は、2車単はプラス、3連単はトントン(若干のマイナス)という結果でした。
仮に該当の27レースで1レース2,000円ずつの車券購入を行った場合、2車単では 11,300円のプラスだったということになります。(3連単では260円のマイナス。)
どうでしょう、まあまあ良い成績だったのではないでしょうか。