116期生（ガールズ）デビュー期の成績予測（ 2019/07/03 ）

ガールズの新人116期生が７月にデビューします。
前回の男子編と同様に競輪学校（現：日本競輪選手養成所）での在校成績をもとにデビュー後の成績を予測してみます。

１. 前年新人114期生（ガールズ）のデビュー期成績

まずは昨年デビューした114期生のデビュー期（2018年7月～12月）の成績をまとめてみました。

◆ 全平均競走得点

• ・対象選手：114期生人21人
• ・対象期間：デビュー期（2018年7月～12月）
• ・総レース数（延べ数）：805個

総レースの平均競走得点は 49.09点でした。
112期生以前のデビュー期平均競走得点は、112期生(50.16点)、110期生(48.88点)，108期生（49.90点），106期生（50.70点）でしたので、114期生の得点は、過去4年の平均値よりは若干低めの値でした。

◆ 勝率・連対率

レース種類別の勝率・連対率は下表のとおりでした。

デビュー期の優勝は11回（上表の決勝レースの1着数）で、内訳は 佐藤水菜選手（神奈川）が5回、柳原真緒選手（福井）と野本怜菜選手（埼玉）が3回ずつでした。

◆ 予測値との比較

昨年6月の新人分析「114期生（ガールズ）デビュー期の成績予測」の中で114期生21人のデビュー後7場所の競走得点 およびＧ指数（旧Ｔ指数）の予測を行いましたが、それに対する実際の成績を 散布図にして下に示しました。
実績値が予測値どおりの値であれば散布図の赤線上にのるのですが、実際は紺点のように分布し その回帰直線は青線のとおりでした。実績値は予測値より若干低めに分布したようです。

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２. 116期生のデビュー期成績予測

今年デビューする116期生のデビュー後７場所の成績を予測します。
昨年6月の分析「112期生（ガールズ）在校成績とデビュー期成績の関係調査」で導き出した、在校時の競走訓練得点から予測する式を今年も使うのですが、昨年新人の114期生への適用では 上で示したように 予測値と実績値に間に若干の差が生じました（散布図の赤線と青線の差）。

今年（116期生）の予測式としては、上散布図の青線（実績値の回帰直線）となるよう式のパラメータを修正して使用します。
パラメータを修正した予測式は次のとおりです。

116期生の場合、上式の \(Av2T\)（期全体の200m独走タイム平均値）は 12.56 秒です。上式にも出てくる 12.83 秒が106期～112期の平均ですので、116期生は高めの成績が期待できそうです。

在校成績と、上式で計算した「デビュー後7場所の 競走得点およびＧ指数の予測値」を点数が高い順に下の表２-１ に並べました。

在校成績1位は長崎の山口伊吹選手、2位は愛知の鈴木樹里選手、3位は広島の吉岡詩織選手でした。
卒業記念レースでは鈴木樹里選手が優勝、山口伊吹選手が準優勝でした。両選手は高校時代（それぞれ鹿町工業高校と桜丘高校）からのライバルで、2017年の全国高等学校選抜自転車競技大会のケイリン競技では、山口伊吹選手が優勝、鈴木樹里選手が準優勝でした。

ちなみに男子新人選手の場合、在校成績を評価する指数として 次式の 総合点（\(ZScore\)）を使用しますが、

参考データとしてこの式で計算した総合点も下表に付加しました。
選手のパワー（自力選手としての脚力）を予測するには、在校時の競走訓練得点より総合点のほうが優れている指数だと思います。
昨年新人でパワフルな競走で大活躍している佐藤水菜選手も、在校成績は5位でしたが総合点は柳原真緒選手に次ぐ2位だった選手です。

総合点1位は鹿児島の南円佳選手（高校まではバレー部）、2位は神奈川の高木佑真選手（高校時代はサッカー部）でした。二人とも競走訓練では先行に徹しました。デビュー後にグッと伸びる可能性があります。

表２-１. 116期生在校成績とデビュー後７場所の成績予測値