昨年7月にデビューした 112期生(ガールズ)データを分析して、競輪学校時の在校成績 と デビュー後7場所の成績 の関係について調べてみます。
ガールズケイリンはライン戦ではなく点と点の戦いであるため、デビュー後も競走スタイルに変わりがなく、男子の新人と違って在校時の競走訓練得点と デビュー後の成績は高い相関関係を持ちます。
右に昨年デビューした112期生の在校時競走得点とデビュー後7場所の関係をプロットした散布図を示します。相関係数は 0.787 です。
回帰分析で関係式を求めると次の(3-0)式となります。(右図内に直線で示します。)
( 決定係数 \(R2=0.619\) )
この関係式を 今年デビューする114期生の在校成績に適用すると、デビュー後の成績を予測することができそうです。
ただ、この式をそのまま使用すると若干問題が生じますので、以下のように式に補正を行います。
上式の在校時の競走得点は期によって平均値が大きく変わる場合があります。(設定得点の変更 または 番組構成の変更によるもの?)
式を汎用的に使用できるよう、在校時の競走得点 を偏差値に換算して基準化することにします。
(基準化しても相関係数は変化しません。)
期 | 200mタイム 期平均値 |
デビュー後7場所 競走得点の期平均 |
112期生 (17名) | 12.73 | 50.29 |
110期生 (22名) | 12.94 | 48.80 |
108期生 (15名) | 12.92 | 49.88 |
106期生 (18名) | 12.74 | 50.55 |
偏差値を取ると期全体の平均値はいつも50となりますが、実際には期によって選手全体のレベルに差があります。(レベルが高い期とか、レベルが低い期とかです。)
右表に、最近のガールズ期(106期 ~ 112期)の在校時200m独走タイムの平均値と、デビュー後7場所競走得点の平均点を示します。
200m独走タイムの平均値が速い期のほうが、デビュー後後7場所競走得点の期平均値も高いことがわかります。
関係式に200m独走タイムの平均値の差による補正を行って、期全体のレベル差を反映さえることとします。
といっても、過去の男子生のデータ等も参考にすると測定時の気象条件によっても全体のタイムは変化するので、タイム差の半分を期のレベル差とみなす程度が良いようです。
過去のガールズ 102 ~ 112期生の200mタイムの平均は 12.83秒、標準偏差(σ)は 0.388秒です。
期の200mタイム平均値と全ガールズ平均の12.83秒との差を取り、この半分の値を偏差値レベル(1σ=10)に基準化して、競走得点偏差値を補正します。
補正値 \(= (12.83-Av2T)×1/2×10/0.388\)
となります。
以上を考慮すると、ガールズ新人選手のデビュー後7場所の競走得点は、
の式で予測することができます。
同様の方法で ガールズ新人選手のデビュー後7場所のT指数の予測式を求めると、
となります。(T指数はGambooで今後公開される予想情報で、選手の能力を表す指数です。)
次回の分析では、この(3-1)式,(3-2)式 を用いて、今年デビューする 114期生デビュー後の成績を予測します。