「前々」「好位」「自在」「自力」、はたまた直截に「ひとりで」「単騎で走る」と単騎戦の意思を表するコメントはいろいろだ。誰にも頼りにされない先行屋、自ら「孤闘」を好むレーサー、単騎は強気が「サイン」の生粋マーク屋、四番手は恰好わるいから前々と濁す八番車、どう走ってもぶっちぎれていそうな末着ばかりの六番車……。単騎の選手が車券対象になるかどうかはべつにしても、推理の中での扱いはけっこう厄介だ。二車単三連単等々車券の賭け式にかかわらず、不確定の「一車」の動向は悩ましい(余談を挟むが、急遽一車欠場が出ただけでそのレースの性格はがらり変わるのだから、ただその一車分の車券を払い戻しても事は済まない場合が多々ある)。だから、どうコメントしようと「そこ」をまわるしかなかろうよ、というレースに出くわすと、無用なストレスが起り、遊びの邪魔をする。
ちょっとしたヒントをくれるコメントから鉄面皮とはいわないが素っ気ないコメントまで……。ま、競輪が何から何まで教えてくれるヤワなギャンブルでないのを承知はしているが、たまァ~におもう。そのくらいはサーヴィスしてもよかろうにと。
八月十八日、名古屋オールスター競輪最終日の第十競走は脇本雄太-古性優作-柴崎淳の七番手カマシで結果はズブズブのワンツースリーだった。二車単6,920円、三連単13,710円の好配当は柴崎のコメントが単騎ゆえのことにも因るか(ちなみに三連複は600円の一番人気であった)。競輪祭の脇本雄太-柴崎淳-浅井康太でブンブン逃げた画を憶えていれば、おそらく柴崎は脇本-古性の後ろだ――と決め打ったファンはすくなからず居たことだろう。むろん並びだろうとなかろうと脇本がズブズブにされる車券など買えるものか。そもそも古性が脇本を差せるのかしらの揶揄もふくめ、これほどに競輪はおもしろい――。
古性が脇本を差したのはこのレースが初めてだろう。「無理を承知で古性が脇本を抜く車券」と予想し恥をかいたのは松戸のダービーだ。その時の「貸し」をちょっとだけ返してもらった俺の戯言である。
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