眞杉匠が赤板から突っ張る。終向がゴールとばかりにガンガン引っ張る。この強烈ハイピッチでいちばん脚にくるのは、森田優弥でもなく佐々木悠葵でもなく、平原康多だったのかも知れない。と記せば、はいはいいつもの後講釈ねと嘲笑されるだけだろう。
更に、私が買った目は、①(平原)⑧(森田)⑤(佐々木)と⑧(山田)①(平原)⑤(佐々木)の三連単に①(平原)⑤(佐々木)の二車単で……おぼろげに怖いもの、それは佐々木だと見えていたような買い方である。などと言おうものなら、いいかげんにしなはれでありましょう。
あまりにいい展開になったものだから(平原が踏み出しに遅れた事なぞ正直気にしなかった。というか刹那に判断が付かなかった)、いったいどの車券を応援すればいいのか? と迷い、うん、森田ガマンの⑧①⑤だ。頭の中で皮算用した途端、佐々木がぐいっと伸び、私のからだはガクンとなり、途轍もないへまをしでかした気分に落ちた。
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