二センター番手で回って来た選手には別線の捲りを牽制するという大事な仕事があるが、これほど巧拙が分かれる作業もない。ブロックの当りが強い人弱い人。なるべく体当たりをしたくない人、必要以上に当りに行く人。時期尚早な人、そりゃ遅いよの人。当たったはいいが相手のスピードを殺せない人、逆に自分のスピードを減じてしまう人……。
選手もいろいろ、牽制もいろいろだけど、準決の平原康多の清水裕友に対する牽制はまさに匠の技であった。清水のコースを刹那にカットするブロックは、清水に「大回り」をしい、その勢いをそいだ。このレース〈第三日の最終競走〉で平原が清水を完璧に払ったことにより――眞杉匠-平原-高橋築の独占劇が叶ったゆえに――立川記念決勝の構図はがらり変わることになる。そう、平原の匠の技が、犬伏湧也を単騎に追いやり、関東五人の分厚い布陣を可能にしたのである。
むろん単騎でも犬伏湧也は強い。北井佑季も同様だ。新山響平-守澤太志だって捨て置くことは出来ない。
しかしだ。眞杉匠-森田優弥-平原康多-佐々木悠葵-高橋築には逆らえない。以下、更に思い込むべく記せば、眞杉と森田は同期生だ。地元選手が五番手を固める。そしてこのライン、平原はもちろんだが、森田も佐々木も高橋もヨコのセンスを兼ね備える。別線にもし奥の手があったとしても関東は簡単には崩れない。
三連単の①⑧⑤と⑧①⑤、二車単の①⑤を買います。
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