皆様、おはようございます。

いよいよ大晦日の朝を迎えました。
スーパースターフェスタ、そして2016年のオートレースは、今日、川口の地で総決算を迎えます。
天気予報では晴天という事で、頂上決戦は良走路想定で、本日も予想を展開して参ります。
昼間は少し気温も上がりそうですが、王座決定戦の発走予定時刻は17時。ただでさえ日没の時間帯、更にはこの時間でキッチリ始まるとはちょっと考えづらく、更に時間が押すとなると、殆どナイターと同じ状況になるのでは？という印象です。
川口に新たに導入されたナイター照明の下、漆黒の闇の中にオーバルの形だけが明るく浮かび上がり、2016年の掉尾を飾るに相応しい、10周回の壮絶バトルが繰り広げられる事でしょう。

今日はとにかく最終的な各選手の分析に紙面を割きたく、早速本題に入ります。


【川口12Ｒ：SG第31回スーパースター王座決定戦】（10周回・5100ｍ）

※選手名以下は、トライアル４日間の成績。
　[走路状態] 着順（レース番号・枠順）試走タイム／本走タイム、ST（スタートタイミング）


①荒尾　聡　（飯塚）

初日[湿] ２着（12Ｒ４枠）3.59／3.593、ST=13
２日[良] ７着（12Ｒ８枠）3.29／3.361、ST=09
３日[良] ２着（11Ｒ７枠）3.28／3.344、ST=07
４日[良] １着（11Ｒ７枠）3.29／3.351、ST=05

ここ２日間は共に７車立て大外から強烈なカマシスタートが決まり、これが奏功しての２連対。これにより、自身２大会ぶりの王座戦進出となりました。
2008年以降、王座戦には過去６回進出するも、ほぼ６着（2011年のみ５着）という成績が示す通り、王座戦のメンバーに入ってしまうと力及ばずのケースが多い・・・のですが、今回もこの選手が展開の鍵を握ると言っても過言では有りません。
思い起こせば2013年の王座戦・・・この時は先頭が何度も入れ替わる大混戦のレースとなりましたが、その時に１枠からトップスタートを切ったのが荒尾聡でした。ハイスピードで後続を突き放すというよりは後ろが抑えられる形となったため、結果ショートの展開となり、大混戦に繋がったのではないかと考えています。
そうかと思えば昨年の日本選手権（川口）でも１枠からトップスタート、この時は逆に後ろを突き放して逃げ、永井大には捌かれたものの２着に粘っています。それでも今節の状態（出ても試走3.28）で考えると、トップスタートなら混戦になると考えるのが自然でしょうか。
ただ今年は、スタートから万全の勢いを保っている青山周がすぐ隣に居り（2013年は３枠。２枠は浦田信）、３年前に比べてもスタートに磨きが掛かっているだけに、サクッと先行されてしまうシーンが考えられます。そうなればもう青山周のペース。可能性としてはこちらの方が有りそうな気がしています・・・。


②青山　周平　（伊勢崎）

初日[湿] ５着（11Ｒ３枠）3.60／3.632、ST=07
２日[良] １着（12Ｒ７枠）3.26／3.339、ST=07
３日[良] １着（11Ｒ２枠）3.26／3.339、ST=07
４日[良] １着（12Ｒ７枠）3.25／3.329、ST=07

２日目以降、良走路で破竹の３連勝。試走、スタート、レースペース、どれを取っても文句無し。（特にスタートタイミングは４日間共に07、もはや精密機械の域と言えます。）昨日は浦田信の渾身のトップスタートを追走する形となり、若干手を焼いたような印象も有りますが、捌いて抜け出してしまえば後は一人旅。3.329という今節最高時計での逃げ切りとなりました。
そして得点トップで迎える王座戦、選んだ枠番は２枠。今年、２つめのSG制覇となったオールスターと同じ枠番です。この時は注文通りのトップスタートからハイペースで後続を突き放し、10周回を逃げ切りました。
前述の通り、今日の王座戦の鍵となるのが荒尾聡とのスタート争いで、先に行けるかどうか、という点です。簡単に言えば、「自分が先行すればハイペース逃げのロング展開、荒尾聡に先行されて突破が長引けば、混戦のショート展開」。前者であれば、ほぼ連軸は堅く、追ってくる高橋貢、鈴木圭あたりとの首位争い。後者になるとちょっと厄介です。前予想としては前者と見ていますので、昨年に続く王座戦２連覇、自身３回目のSG制覇に最も近い存在と見ています。


③高橋　貢　（伊勢崎）

初日[湿] ４着（12Ｒ１枠）3.57／3.607、ST=05
２日[良] ２着（12Ｒ４枠）3.25／3.341、ST=07
３日[良] １着（12Ｒ１枠）3.26／3.339、ST=06
４日[良] ４着（11Ｒ１枠）3.28／3.361、ST=05

昨日こそ人気を裏切る形となりましたが、それまでの動きを考えれば、勿論これを修正してくる事でしょう。青山周と共に、今節の双璧を成す機力状態で、とにかく近況はハイペースの中でもキッチリ追い込んでくる、自身がハイペースを作り出せる状況に有ります。今日も、青山周のスタート速攻を追走する形になれば、その追走一番手、ちょうど２日目の直接対決時のような一騎討ちの場面もありそうな雰囲気です。混戦になってもそれを突破できる捌きが有り、むしろそちらの方がチャンスが広がるかもしれません。
そして、この３枠、赤い勝負服が王者のスーパースターでは強烈なイメージとなります。大晦日決戦となった2008年以降、王座戦には５回乗っており、そのうち２回（2009年、2012年）を制していますが、共にこの３枠です。


④金子　大輔　（浜松）

初日[湿] １着（11Ｒ５枠）3.57／3.610、ST=08
２日[良] ４着（12Ｒ５枠）3.27／3.346、ST=08
３日[良] ５着（12Ｒ８枠）3.28／3.376、ST=12
４日[良] ２着（11Ｒ６枠）3.28／3.354、ST=01

昨年はあと一歩のところで逃した王座戦、今年はキッチリと乗ってきました。
王座戦で金子大と言えば４枠のイメージが強いなぁ・・・と思っていたらそれもそのはずで、前々回（2012年）、前回（2014年）が共に４枠でした。
前々回（2012年）に関しては、試走１番時計（3.25）で人気を集めたものの、スタートで出足が付かず後方からの追い上げとなり、道中猛追したものの高橋貢に及ばずの２着。前回（2014）年もスタート行けず後方からの追い上げで、道中４番手まで進出したものの、永井大以下がハイペースで逃げるロング展開であった事も有り、そこまでで追走一杯。更には、１着勝負であった昨年のトライアル最終戦も４枠、試走3.24と他を圧倒する最高の状態でしたがやはりスタートで後方展開、機力差で２番手まで追い上げるものの、永井大の鉄壁ガードに阻まれ、それが「あと一歩のところで逃した王座戦」の要因となりました。
その上で、今回は「ただの４枠」ではなく、「とにかくスタート速攻が安定している弾丸小僧がすぐ外に居る」４枠で、条件は更に悪いと見ています。そのような場合でも後方から追い上げて勝ち切ったSGもありますが、想定では青山周が超ハイペースで引っ張る展開と見ていますので、追い上げもどこまでか・・・という印象です。


⑤鈴木　圭一郎　（浜松）

初日[湿] ３着（11Ｒ４枠）3.65／3.624、ST=11
２日[良] ３着（12Ｒ２枠）3.28／3.341、ST=09
３日[良] ３着（11Ｒ４枠）3.27／3.344、ST=07
４日[良] ３着（12Ｒ８枠）3.26／3.339、ST=03

史上最年少＆デビュー最速のSG優勝から、その勢いで１ヶ月後の日本選手権まで制し、昨年より更に大きな看板を引っ提げてのSS参戦。最低条件とも言える王座戦進出は叶いましたが、初日から３着を４本並べ、やや精彩を欠いている・・・ようにも見えます。現状ではあと一歩、という感じでしょうが、スタートは安定しており、今日も青山周に続く２番手という展開であれば、２人でペースを上げてのワンツーという形も考えられるところです。とは言え、問題はそこまでに早めに抜け出せるかどうかという点で、混戦になってしまうと、この相手ではちょっとまだ厳しいかもしれません。展開面で優位にあるため、車券圏内には押さえておくべきと考えていますが、紙一重ながら全体評価としては連下候補という位置づけとしておきます。


⑥新井　恵匠　（伊勢崎）

初日[湿] ２着（11Ｒ２枠）3.61／3.615、ST=01
２日[良] ４着（11Ｒ２枠）3.31／3.366、ST=08
３日[良] ４着（11Ｒ３枠）3.28／3.351、ST=07
４日[良] ３着（11Ｒ４枠）3.27／3.356、ST=06

SS初参戦にして見事、大晦日のベスト８に名を連ねました。今やそのスタート力は安定感を増し、常に好位置に付けられる要素を持っています。今日も、鈴木圭に乗っていける分もあって、スタート展開に関しては追い風の要素十分です。
ただ問題はタイム面。良走路３日間のベストが3.351、これ以上の機力を出せるかどうかがポイントとなります。上位勢は８周回3.33～3.34の本走タイムを残しており、今のままでは太刀打ちできないでしょう。正直これ以上に関しては未知数で、この大一番に合わせてその壁を突破してくる事も大いに考えられるため、あくまで連下候補ながら注意は必要と見ています。


⑦永井　大介　（川口）

初日[湿] １着（12Ｒ２枠）3.54／3.578、ST=08
２日[良] ６着（11Ｒ７枠）3.29／3.378、ST=12
３日[良] ７着（11Ｒ１枠）3.28／3.378、ST=07
４日[良] ２着（12Ｒ７枠）3.28／3.332、ST=01

どんな逆境にも立ち向かい、それを跳ね除けて突破する・・・それが、大舞台を数多く踏んできた百戦練磨の為せる技なのでしょうか。
特に３日目のレース内容では、ちょっと今年は無理か・・・そんな思いすら抱かせた中でのトライアル最終戦、トップスタートなら何とか勝負にならないかと考えていた中で、それ以上の圧巻のレースを披露（スタートは後手を踏むも、追い上げての２着）。大晦日決戦となった2008年以降ではメンバー中唯一無二、SS連続出場だけでなく全ての年で王座戦に進出という輝かしい記録にまた新たな１ページを加えました。それでもここ８年は全て５枠から内、ここまで外に置かれたのは初となります。
タイムから見ても、明らかに状態が一変した（少なくともレースでは）と言って良いでしょうが、ここまで一気に変わるのもなかなか珍しいのでは、と思います。その要因が何か・・・もしそれが、例えばレース番号、「陽が落ちて、より冷えた方が合っている（前２日は11Ｒ、昨日が12Ｒ）」という事だとするならば、その12Ｒとなる王座戦はむしろ願うべき時間帯、という事になります。
７枠という位置も（２日目は完全に遅れてしまいましたが）本来はカマシスタートも決めやすく得意とする枠。昨年のトライアル最終戦も７枠からトップスタートを切る等、過去、特に「勝負が懸かっている場面」で一気のスタート速攻を決めてくる事が有ります。
８年連続で制してきたSG。今年はまだ此処までSG制覇が無く、今日がラストチャンス。しかし、それすらもモノにしそうな、それだけの可能性を秘めている１車と言えます。


⑧松尾　啓史　（山陽）

初日[湿] ４着（11Ｒ８枠）3.59／3.627、ST=06
２日[良] ３着（11Ｒ５枠）3.28／3.363、ST=08
３日[良] ３着（12Ｒ６枠）3.25／3.349、ST=06
４日[良] ５着（11Ｒ５枠）3.27／3.361、ST=08

2013年以来３大会ぶりのSS出場を果たした今回、試走タイムからレースに至るまで、ベストに近い状態で挑み、その2013年以来の王座戦進出の切符を手にしました。（この時もトライアル戦８位、当落線上での進出でした。）
この王座戦、少なくとも大晦日決戦となった2008年以降で、８枠は唯一「一度も車券の対象になった事が無い」枠。３着以内にすら来た事が有りません。自身前回の王座戦（2013年）も８枠でしたが５着に敗れています。
機力状態は高位安定も、スタートもカマシて行けるタイプではなく、おそらくは後方に置かれる事になると思われ、強く推せないところです。


[2016.12.31]　川口
スーパースターフェスタ・最終日
【12Ｒ】SS王座決定戦　　5100m（10周）
良
　①荒尾　聡　（飯）
◎②青山周平　（伊）
○③高橋　貢　（伊）
　④金子大輔　（浜）
△⑤鈴木圭一郎（浜）
注⑥新井恵匠　（伊）
▲⑦永井大介　（川）
　⑧松尾啓史　（山）

＜買い目＞
本線（３単）２＝３－５６７
押え（３単）２－７－３５６、３－７－２５６
押え（２単）７－２３


というわけで、４日間のトライアルの動きや枠順等、様々な要素を勘案し、今年のスーパースター王座決定戦の前予想は、以上の通りとなりました。

そして、スーパースター王座決定戦の後は、その興奮の余韻を引きずったまま年を越しそうなので、おそらくこれが今年ラストのコラムになると思っています。
Gambooコラム３年目の今年も、読者の皆様には大変お世話になりました。
また来年も変わらぬご愛顧の程、宜しくお願い致します。

このコラムをご覧の皆様方、また、このGambooコラムを運営頂いている皆様にとって、良い年を迎えられます事をご祈念しまして、今年のコラムの締めとさせて頂きます。
これから私は今年最後の勝負の地・川口へ馳せ参じます。