二日目の二次予選は比較的かたくおさまるというのが記念競輪の相場ではあるけれど、今の競輪には――というか今昔の競輪そのものに――変数がおおすぎるゆえ、ほいほいと一番人気とはいかないのが実情である。そんななかでの本日の第十一レース、第十二レースの二車単百円台連発の理由はひとえに、深谷知広と守澤太志が、渡邉雄太と郡司浩平が、各レースにおいて、出来うる限りのパフォーマンスを、最高に近い競輪を、実践したからにほかならない。
今も昔も安心して見ていられるというか、王道の車券は、逃げ切り・マークか追込み・逃げ残りの車券だと思っている。今も昔もと記したものの、昔の競輪の形態と今のそれとではあからかに異なるし、競輪の秩序(語弊を生む単語であるかもしれないが)も時代につれて変わりつつあり、昨今の競輪における先行と番手のワンツー決着にはなかなかに難儀がつきまとい、特にS級上位の対戦ではなおさらであるにもかかわらず、今日の十一も十二も追込み・逃げ残りだったのだから、深谷も守澤も渡邉も郡司もたいしたものだなと感心する。
いやいや、決まって当たり前のような番組でしょうよ、脚も違うし名前も違う。
そう質されれば「まあそうだけど」と返すしかない。が、よくよくレースを見ると、大きな山はなかったにせよ、小さな山――判断を少しでも誤れば失敗してしまう可能性がある箇所――はいくつか散見されるのではなかろうか。
百九十円や百四十円じゃ買えないわ。
そのために三連単があるんでしょうよ。
わかってる、わかってる。が、二車単が固い(と思われる)競輪ほど三着は絞りにくい。枠単しか売ってない時代なら表裏どちらかに絞って「ぼん!」してるだろうけど。
またまたあ、昔から本名-抜け目が十八番だったくせに。
あの世とこの世で会話する。
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