祝祭日の夜の競輪中継。発走台の選手達に無邪気な子供の応援が飛び交う。一周二周と回ってくるたびに起こる変声期前のガンバレを司会の男はイイ雰囲気だと満悦の体だが、俺には妙に異質だ。
予想屋の台に屯していた不良少年達を想い出す。年の頃は十七八、平日の千葉競輪場だから高校生ではなかろうが補導の対象にも見えた。明日は的屋のバイト、縁日で焼きそばを作るのだと云った少年の頭は派手な金髪だった。予想屋にタメ口をきくもう一人が百円分の車券を握り締めている。一丁前に出走表と赤鉛筆が作業ズボンのポケットから覗けた。
あのボーイズも優に三十歳を超えていることだろう。
新たな不良少年達はもう競輪場を目指さない。
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