前回コラム(その１）の調査で、
　１. 同着レースの発生率はここ10年で徐々に減少してきている。
　２. しかし、その主な要因は「判定写真の解像度アップ」ではないらしい。
ということがわかりました。

今回は車立て数と同着発生率の関係について調べてみます。

　　　 |　9車立て(8車立て含む) 　　|　7車立て(6車･5車立て含む)
　年　 |　Race数　同着数　発生率　|　Race数　同着数　発生率
--------+---------+-------+---------+---------+-------+-------
2008年　 30,247 　 400 　 1.32%　　　　33 　　0 　 0.00%
2009年　 32,326 　 430 　 1.33%　　　　78 　　1 　 1.23%
2010年　 31,779 　 392 　 1.23%　　　　36 　　0 　 0.00%
2011年　 27,932 　 352 　 1.26%　　 　237 　　3 　 1.27%
2012年　 20,645 　 262 　 1.27%　　 7,684 　 63 　 0.82%
2013年　 19,000 　 225 　 1.18%　　 7,935 　 59 　 0.74%
2014年　 17,211 　 190 　 1.10%　　 7,373 　 59 　 0.80%
2015年　 15,972 　 200 　 1.25%　　 7,251 　 59 　 0.81%
2016年　 15,168 　 164 　 1.08%　　 7,303 　 66 　 0.90%
2017年　 14,889 　 143 　 0.96%　　 7,606 　 46 　 0.60%
2018年　　9,360 　　91 　 0.97%　　 5,637 　 40 　 0.71%　--- (注)
--------+---------+-------+---------+---------+-------+-------
　計　　 234,529　2,849　 1.22% 　51,173 　396 　 0.77%

　(注) --- 2018年は 1月～8月の集計。

やはり車数が少ない７車立てのほうが、９車立てより同着レースの発生率は低くなります。

2011年はミッドナイト競輪（７車立て）が開始されました。
2012年からチャレンジ戦が７車立てとなりました。また、ガールズケイリン（７車立て）も開始されました。
よって2012年から７車立てレース数が一気に増えて、全体としてそれ以前より同着レース率が低くなったことは当然と言えます。

しかし９車立てにおいても同着レースは年々減少してきているし、ここ10年で３割強も減少した主な原因はこちら側にあるようです。
う～ん、何故なんでしょう？

ちなみに、バンク長と同着レース発生率の関係は次のようになります。
ここ10年の同着率減少の具合にバンク長別の差異はなかったので、10年の合算値だけを記します。

◇期間 2008年1月 ～ 2018年8月
◇対象 全成立レース 285,702 R
　　　　　 レース数 　 同着数 　 同着発生率
-----------+----------+--------+--------------
333バンク　　45,134 　　 408 　 0.90% 　 (前橋335含む)
400バンク　 210,286 　 2,428 　 1.15%
500バンク　　30,282 　　 409 　 1.35%
-----------+----------+--------+--------------
　　計　　　 285,702 　 3,245 　 1.14%

長走路ほど同着レースの発生率は高くなります。
ここ10年で333バンクの廃止は無かったのに対し 500バンクは、
　・大津びわこ（2011年3月に廃止）
　・熊本（2016年4月から休止）
　・千葉（2017年12月から休止）
の３場が廃止・休止になっており、これも同着率減少の一因ではありますが、その寄与度はとても小さいです。

今回はここまでです。次回こそ 同着率減少の真の原因に迫りたいと思っています。
（つづく）