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同着レースの発生率減少について原因を調てみた。(その3)

2018/10/29 17:17 閲覧数(566)
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前回までのコラム内の調査で、
 1. 同着レースの発生率はここ10年で徐々に減少してきている。
 2. しかし、その主な要因は「判定写真の解像度アップ」ではないらしい。
 3.7車立てレースは9車立てより同着発生率は少なく、チャレンジ戦やガールズ戦
   など7車立てレースの増加も発生率現象の一因。
 4.9車立てレースにおいて、同着率は年々減少してきている。
 5.短走路より長走路のバンクが同着率は高い。
ということがわかりました。

今回はクラス別に同着レース発生率の推移を調べてみます。

    |   S級戦   |  A1・2班戦   |  チャレンジ戦  |  ガールズ戦  |
 年  | Race数  同着率 | Race数  同着率 | Race数  同着率 | Race数  同着率 |
-------+--------------------+--------------------+--------------------+--------------------+
2008年  7,274   1.72%  15,631   1.35%   7,375   0.87%    -    -
2009年  7,791   1.46%  16,672   1.33%   7,941   1.21%    -    -
2010年  7,729   1.37%  16,361   1.38%   7,725   0.78%    -    -
2011年  6,890   1.61%  14,497   1.32%   6,782   0.78%    -    -
2012年  6,917   1.39%  14,040   1.22%   7,233   0.80%    139   0.00%
2013年  6,359   1.26%  12,890   1.16%   7,222   0.75%    464   0.22%
2014年  6,430   1.01%  11,430   1.17%   6,005   0.78%    719   0.42%
2015年  6,189   1.15%  10,696   1.31%   5,505   0.82%    833   0.36%
2016年  6,164   1.18%  10,272   1.03%   5,062   0.97%    973   0.21%
2017年  6,295   1.11%  9,998   0.80%   5,079   0.69%   1,123   0.36%
2018年  4,114   0.95%  6,622   0.94%   3,470   0.78%    791   0.38%
-------+--------------------+--------------------+--------------------+--------------------+
 計  72,152   1.32%  139,109   1.22%  69,399   0.85%   5,042   0.32%

 (注1) 2018年は 1~8月分
 (注2) チャレンジ戦の2011年以前は9車立て

チャレンジ戦とガールズ戦において同着率の変化は見られないのですが、
S級戦とA級1・2班戦においては かなり減少してきています。

クラス別に1着2着の決まり手比率の変化を見てみます。

◇クラス別 決まり手比率の推移(単位:% )
    |   S級戦    |   A1・2班級戦   |  チャレンジ戦   |
 年  |  逃  捲  差  マ |   逃  捲  差  マ  |  逃  捲  差  マ |
--------+-----------------------+------------------------+-----------------------+
2008年  15.0 22.7 44.2 18.0  16.6 20.6 44.1 18.7  25.4 21.8 31.6 21.2
2009年  13.8 23.8 44.6 17.8  17.7 21.1 42.1 19.2  23.8 23.1 32.5 20.5
2010年  15.4 23.8 42.6 18.2  17.5 22.0 41.4 19.0  21.7 25.9 31.8 20.6
2011年  14.5 25.1 42.2 18.2  17.5 23.4 40.0 19.1  21.7 29.2 29.6 19.6
2012年  14.7 25.7 41.3 18.3  17.8 24.2 39.4 18.6  26.6 24.6 27.4 21.4
2013年  15.4 26.9 39.0 18.8  17.5 25.8 38.4 18.3  26.8 22.5 29.9 20.7
2014年  14.6 27.8 38.9 18.7  16.5 26.7 38.6 18.3  26.1 19.7 33.0 21.3
2015年  13.5 28.2 40.3 18.0  17.3 25.6 38.5 18.6  25.9 19.8 33.9 20.4
2016年  15.1 28.0 38.9 18.0  17.6 25.4 38.3 18.8  26.4 20.2 32.4 20.9
2017年  13.1 29.1 40.4 17.3  17.2 25.6 38.6 18.6  27.8 19.5 31.2 21.6
2018年  14.3 28.5 39.6 17.5  18.1 25.4 38.0 18.5  27.5 20.6 30.0 21.8 (注1)
--------+-----------------------+------------------------+-----------------------+
 計    14.5 26.1 41.3 18.1  17.4 23.8 40.1 18.7  25.2 22.8 31.2 20.9

    |   ガールズ戦   |
 年  |  逃  捲  差  マ |
--------+-----------------------+
2008年  -  -  -  -
2009年  -  -  -  -
2010年  -  -  -  -
2011年  -  -  -  -
2012年  25.5 30.6 16.2 27.7
2013年  23.0 35.6 19.1 22.3
2014年  22.9 34.1 19.7 23.3
2015年  24.7 29.8 21.6 23.9
2016年  22.8 32.4 19.7 25.1
2017年  22.1 34.4 21.1 22.4
2018年  22.2 33.2 19.4 25.2 (注1)     (注1) 2018年は 1~8月分
--------+-----------------------+
 計    23.0 33.0 20.1 23.9

この表で注目すべき点は、S級戦とA級1・2班戦の 捲くりと差しの比率の変化です。
ここ10年で「捲くり」の決まり手は徐々に増加してきており、その分「差し」の決まり手が減少しています。
同着率の変化との相関係数を計算すると、

 S級戦  : 捲くり比率と同着レース率の相関係数  -0.88
  〃   : 差し比率と同着レース率の相関係数   0.81
 A1・2班戦 : 捲くり比率と同着レース率の相関係数  -0.64
  〃   : 差し比率と同着レース率の相関係数   0.65

S級戦の捲くり比率/差し比率と同着レース率の間には強い相関があるし、A1・2班戦の捲くり比率/差し比率と同着レース率の間にも相関があります。

1着の決まり手別に 2着との着差を分類してみました。

◇対象期間 : 2008年1月~2018年8月
◇対象クラス: S級戦およびA1・2班戦
◇着差グループの内訳:
   ※ 着差小グループ --- 同着(着差なし)、微差、タイヤ差、1/8車輪
   ※ 着差大グループ --- 1/4車輪以上の着差

1着決まり手 着差数   着差小グループ     着差大グループ
-----------+------------+----------------------+----------------
 逃げ    53,121   4,543  (8.55%)    48,578 (91.45%)
 捲くり   86,765   4,571  (5.27%)    82,194 (94.73%)
 差し    127,608   14,251 (11.17%)     113,357 (88.83%)
 マーク     163     12  (7.36%)      151 (92.64%)

この表からわかるように、1着選手が「捲くり」で勝った場合は2着との着差が大きい傾向にあり、「差し」で勝った場合は2着との着差が小さい傾向にあるのです。
(1-2着間で調べましたが、2-3着,3-4着間でも同様の現象がある思われます。)

そうなんです、

-----------------------------------------------------------------------------------
★S級戦およびA1・2班戦では、ここ10年間で 次位選手との着差が大きい捲くりの
 決まり手が増えて、次位選手との着差が小さい差しの決まり手が減ってきている。
-----------------------------------------------------------------------------------

というのが、同着レース減少の主な原因なのです。

前回コラム(その2)の調査でわかった、
  ・9車立てレースにおいて、同着率は年々減少してきている。
は9車立てレースはS級戦およびA1・2班戦が主なので当然ですし、
  ・短走路より長走路のバンクが同着率は高い。
も、長走路のほうが、「捲くり」より「差し」の決まり手が多いというのが要因でしょう。

やっと原因判明!!

といっても、これって車券戦術に役立つのか?
長々と3回も続けて、だから何だと言われればそうなんですが…。
(おしまい)
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