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最終までもたない――。

2018/03/27 9:15 閲覧数(750)
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 資金が乏しいからおそるおそる中穴を小銭で買うのだが埒が明かず、第八競走で持ち金全部(と、いったって大した金額ではいないが)をエイヤと一番人気か二番人気かもうちょい抜けを一本で打って、大概は肩を落して競輪場をあとにする。肝心の決勝も見られず、空腹に耐えながらの帰路は侘しいものだ。
 想い返してみれば、競輪場に日参していたあの時代の俺のギャンブルなんてそんな日々が大半であった。朝一からゆったりと特観席で過ごす。そんな数すくない至福の日の前の晩の俺は、明日の遠足にはしゃぐ児童のごときだった。
 なるだけ遅い到着が理想だが、寄り道が苦手な俺は午後一時には大井競馬場に居た。幾つかやって第八競走。山勘で買った一番の馬は出遅れたが最後はけっこう詰めてきた。次は買いだなァなどと一瞬思った俺だが、地方競馬で追っかけなどやったらエライ目に遭いそうだ――。掲示板の確定を読むと3連単939,220円――! 惜しくも何ともない俺なのにかっとなる。第九競走は単勝120円の三番で固そうだ。パドックで閃いたのは、というかまた山勘で十四番。三番と十四番の馬単と馬複のオッズを何度も見較べながら、無性に食べたくなったソフトクリームだけは買い、残りの有金(これまた大した額じゃァありません)残らず馬複の方に入れた(帰りの電車賃はスイカがあるのでご心配なく)。出遅れてヒヤヒヤさせた三番は猛襲一着も十四番は好位ジリ貧だった。
 顔面がすこし紅潮しているのは血圧が上がっているからだろうか。重たい足どりで歩く後方から払い戻しの放送が流れ聞こえてくる。単勝120円なのに3連単は四万越えらしい――。
 全然粘れないじゃないの――!
 そんなとこから逃げたってもつわけないだろう――! 少しはペース考えろよ――! 
 最終どころかメイン競走にすら場に居られない俺に、ガマンもペースもなかろう。俺には野次を吐く資格なしだ。
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