三半、三車併走の真ん中を突く古性優作に一瞬、準決の似たような展開で詰まった古性をダブらせようとしたが無茶な話だった
やっぱり古性なんだなあ、と胸中でつぶやいた。
タイトルの「東北なんだなあ」は新山響平のことでも菅田壱道のことでも守澤太志のことでもなく、昨晩観た何十回目かの映画『砂の器』の劇中、東北の海に色の濃さを感ずる森田健作演ずる若手刑事に、丹波哲郎扮するベテラン刑事が返す台詞である。「東北なんだなあ」――関連も意味もなさないタイトルだけどお許しを。
やっぱり中野(浩一)なんだなあ。井上(茂徳)なんだなあ。滝澤(正光)なんだなあ、尾崎(雅彦)なんだなあ……。何十年そうやってつぶやいて生きてきた。考えてみるに何十年とおなじことをやっている。二十代のときに買ったパンク風のジャンパーの同型を高齢者になってもまだ新調している。おんなじ音楽を、おんなじ映画を視聴している。おんなじ曲を歌っている。
深刻ではないが簡単ではない、とDは言う。
私の返事は、気乗りがしないの一点ばりだ。
ああ、一点張りの五-二は裏目。丁度良い「軟着陸」じゃないのかしらん。
ここまで来たらあくまで脳天気でゆくしかあるまい。
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