「中本匠栄と一緒に俺も退かされ飛んで行く感触を味わった。中本にとっても俺にとっても今年最後の記念競輪だというのに、まさかこんな結末が待っていようとは、可笑しくて涙も出ない。中本は七着で俺は九着。『みそぎ』は払った? 中本さん、来年の大宮記念、一緒にがんばろうぜ。」――昨年の師走、伊東記念が仕舞った直後当欄に載せた拙稿である。イン粘りを食って飛んだ中本に、テレビの前で散った私が連帯を呼びかけている。
中本匠栄の新年一発めは奈良FⅠで幸先良い一着スタートだった。しかし翌日の準決で落車して帰参の憂き目を味わう。大宮記念は復帰戦となった。状態はどうなのだろう。計り兼ねた。二次予選の頭を取りはぐって「しまった」と悔いた。同行のO君にも気づかれるくらいショックは大きかった。準決は昨日書いたとおり。画に描いたように平原の後ろにスイッチしてくれたのだけれども……肝腎の平原が吉田を抜けずで俺の大宮記念は終わった。
新山響平-佐藤慎太郎が押さえに行ったとき中本匠栄は追わなかった。これが上手い。鋭い。中本は内からすくい郡司浩平-深谷知広の後ろを取った。新山が前に出てちょっと流す。郡司-深谷-中本の仕掛けはまさにジャストのタイミングだった。
吉田有希は平原康多を勝たせたい。郡司は深谷に買ってもらいたい。新山は吉田の好きにさせない。各々の意志と行動に因り展開した競輪だった。
よくがんばった中本匠栄。
途中退場の己が情けない。
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