♪風が強い日/雲が流れてく/乾いた通りに/ほこりが舞ってる/足を止めてふり返ればそこに/長い影が腰をおろしてる――。(ストリート・スライダーズ『風が強い日』)
風が吹けば桶屋が儲かる――は、誰もが知る有名なことわざだが、風が強い日は自力と自力の車券――は、ほんの一部の人間の脳内に刻まれた、某競輪場の予想屋が数十年前に説いた「箴言」である。
名古屋記念の朝一から逃げと逃げを買いはじめたが、あの頃とは競輪も変わっているし、気候だって朝昼夕と変化する。
第一競走は「自力と自力」とはほど遠い、鷲田佳史、國村洋の「番手と番手」で二車単⑦②は2,000円の配当だった。
余談になるが、亡くなったF先輩の出目と配当金の読み合わせ(声に出しての校正みたいなものです)を想い出した。Fさんなら「七番二番、二千円ちょっきり!」と声を弾ませるところだろう。ちなみにこの競走、二車複が1,000円、三連複は700円だった。
そうか、風が強い日は、自力と自力ではなく、ちょっきりの車券なのか――?
お粗末な駄文を記して半日後――。
Fさんの常套句は「ぽっきり」だったと記憶がよみがえった キャバレーの呼び込みが使う「お客さん、千円ぽっきりですよ――!」の「ぽっきり」である。誤用に使いが、「七番二番、二千円ぽっきり!」の調子が懐かしい。
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