午後９時から始まる短編推理ドラマ、ミッドナイト競輪。

自宅でワイングラスを片手に楽しめるこのレースは、基本的に固く決まることも多く、本命党やビギナーにはたまらないものとして今や完全に市民権を得、売上も上々で大成功（今のところはネ）と言えよう。

前述のとおり、ガチガチのレースが主流であることから、そこそこ遊べると言うのがミッドナイト競輪の魅力の一つ…が、その半面、目の超えたファンにとって、レース内容に物足りなさを感じることも…

そんなミッドナイト競輪で、久しぶりに”熱いレース”を見せてもらった。１０月１６日、青森ミッドナイト・チャレンジ準決勝の７レースがソレ。優勝候補筆頭の若手選手の３車ラインで超鉄板レース…結果は、賭式全てが１番人気となるミッドナイト車券で無難におさまった。え、何故これが熱いレース？答の全てはレース内容に…

一列棒状で周回を重ね、平凡な競争で終わる予感が漂う中、鐘（ジャン）の合図とともに戦闘開始 ”３分戦、先行、イン粘り、競り、牽制、主導権争い、まくり、マーク、ちぎれ…” 競輪の全てがガチンコで見られる好レースとなったのだ。無観客のミッドナイトのチャレンジ戦でありながら、全選手が持てる力を出しきり、G１並みの失格覚悟の激しいレースを見せてくれた全選手を多いに讃えたい。

結果はよくある ”終わって見れば…” であったけれど、この日のソレは単なる ”終わって見れば…” ではなかった。

競輪はドラマ、結果だけでは判らないこともある…『見てなんぼ』岡崎選手以下７名は、久しぶりに僕のワイングラスにスパイスを振りかけてくれた…