ジャンボ宝くじの一等当選確率は一千万分の一(年末ジャンボは二千万分の一)、ジャンボミニなら二百万分の一、それならプロ野球の名勝負が生まれる確率はどのくらいなのかしら――と馬鹿なことを考えた。といっても「名勝負」の基準はファンそれぞれだし、なかには時代とともに風格を増す試合もあったり、逆に騒がれたわりには語り継がれずという試合もあるはずだ。ま、ともかく宝くじの確率のように計算することは不能である。試合数がけた違いに多い競輪の場合もまた然りで、野球通に負けず劣らずの競輪の目利きがわんさか居るのだから厄介至極であろう。が、野球にも競輪も共通するのは、宝くじ並の低確率であるかは別にして、そうそう頻繁に名勝負など生まれないということだ。換言すればしょっちゅう名勝負ばかりでは名勝負の価値が減じてしまう。
こんなに凄い試合になるとは驚きである。これぞプロとプロの激突と元プロ野球選手が力説している。只の大味な試合にしかおもえない私の野球観が駄目なのだろう、きっと。
A選手の意地とB選手の意地。これが競輪の醍醐味なのだ。あまりに凄味のある競輪にドキドキしてしまったと熱血解説の元競輪選手が喋りまくる。何百何千と見た只の平凡な競輪としか映らない私の眼が濁っているからだろう、おそらく。
両解説に歴代の名勝負を選んでいただいたら、けっこうな数に達しそうな気がするが、それもまた佳しだ。
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