朝からリンダ・ロンシュタットを流しているのは昨晩、地上波某局の植物園の映像にリンダの『シンプル・マン、シンプル・ドリーム』が使われていたのを偶然聞いたから。ソロ何作目だろう、アルバム名は「Simple Dream(邦題『夢はひとつだけ」――『イッツ・ソー・イージー』から始まり、三曲目に『シンプル・マン、シンプル・ドリーム』、九曲目にはストーンズのカバー『ダイスをころがせ』とくれば、車券を考えるBGMにわるくない。
準決一発目はただただ守澤太志がかっこよかった。嘉永泰斗はたとえ七番手になっても、頻繁な出入りがあっての七番手だから、計算上は捲れるはずなのだが、前団番手に守澤の場合だけは《あれ》――強烈ブロック――を食う。
二発目は取鳥雄吾が強いのか、桑原大志の仕事を誉めればいいのか、坂井洋が甘いのか。山口拳矢が計ったように突き抜けた。後ろは地元の岡村総なのに自分だけ届く捲り。そんな意見もなくはなかろうが、ぎりぎり届く捲りはある意味山口の真骨頂とも言え、そもそも山口の《最新型の競輪》に《昭和の競輪》など求めてはいけない。と昭和の競輪で育った私が思う。
三発目は新田祐大が千切るように捲り、二着も三着もラインの先導役の選手。二次予選の新田を伊藤が追っかけるレースを見ていながら、肝腎な時の伊藤の凡走が頭をよぎって買えなかったのが一寸くやしい。
【名古屋記念競輪優勝戦】脇本雄太はたまに、捲り・捲り・捲りで上がって決勝は逃げるというパターン? を見せる。初日二日三日のどこかで先行を見せておけば、決勝はもっと楽になるのにと思ったりもするが、まあ余計なお世話だろう。
今節の山口拳矢は、初日が十秒六の捲り圧勝、二日目の二次予選は一周先行で番手に差され、準決は前述の通り計ったような捲りだった。これ以上ない優勝パターンだと思う。何と言っても一回逃げて抜かれているのがよろしいかと。待てよ。山口のことを最新型だと評しながら、昭和の競輪で覚えた優勝パターンに合致すると手を叩いている。妙で変なわたくし。
山口拳矢から誰を買うか。そう決します。
あとは脇の甘いことでは人後に落ちない雑な消去法で二三着を探す作業だ。
毎日逃げに行っている渡邊雄太は悪くない。武藤龍生が付けてくれるのも最内枠も有利な材料だ。ただ武藤の方はスピード負けしそうで買いたくない。取鳥雄吾と桑原大志は三度の連係。記念開催で三回つづけて上手くいく目には賭けない。同期でも山口に付けない伊藤旭はやめとく。新田祐大-守澤太志は格上のセットだ。むろん捨てられない。ただセットそのものを買うなら、むしろ山口を負かしちゃう車券なのではとも思う。守澤は《ひいき》のファイターだけど、正直《超ハイピッチ》には不向きの選手とも言える。新田は買うが守澤は切る――涙を飲んでね。南潤。魅力はある。あるけどこの人の単騎での闘いが想像しがたい。車番も悪い。切る。
③①⑨と③⑨①を買います。
附記。前掲のリンダのアルバムの七曲目は『Poor,Poor Pitiful Me 』――邦題『私はついてない』である。
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