気まぐれに新大久保の中古楽器屋に出かけたらまだ開いていない。
ああ、そうだここら辺は十三時開店が多いのだ。
店先の掲示を見、気づいて、時間を潰そうとするが、駅付近は平日だというのに人が出盛っている。新大久保がこんなに賑わうようになったのはいつからだろう。駅前から人の流れと逆に歩いて茶店を探し珈琲を飲んだ。時間つぶしに音楽を聞いた。そこからなぜ岡林信康アルバム第二集『見る前に跳べ』になるのか。理由があるにはあるのだけどもたいした理由でもないので記さない。
むかしはよく新大久保から歌舞伎町まで歩いたものだ。ひさしぶりに歩いて見ようか。ふっと思ったが窓外に雨粒がぽつりと来てすぐに怯んだ。
♪私たちの望むものは、決して私たちではなく、私たちの望むものは、私でありつづけることなのだ、と岡林が『私たちが望むものは』で歌っている。バックの演奏は「はっぴいえんど」だ。
「私たち」の望むものなど私にはわからない。競輪ファンの望むものも私にはわからない。競輪界が望むものなど私にはわからないし興味もない。が、「私」が望むものは九車の競輪である。
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