今日のギャンブルは競輪を「二鞍」――競馬も競輪も競艇も「鞍」だった某先輩に倣った――やっただけ。どちらも高松記念の最終日を買った。
最初の一鞍は第三競走――。本線は山本直(岡山)-森安崇之(香川)-近藤誠二(香川)の中四国トリオ、別線に谷口友真(大阪)-金田健一郎(大阪)と大洞翔平(岐阜)-岩本和也(石川)、あとは単騎の高比良豪(福岡)という八人の組みあわせだった。普段はマーク屋とマーク屋のズブズブなど買わない俺だが、冴えない山本と案外元気な谷口で叩きあっちゃうと森安-近藤の抜け出しもありだろう。「地元三割増し×二人」なる妄想の掛け算も勘定に入れた。正攻法の谷口-金田-高比良を赤板で大洞-岩本が押さえる。山本はそれを追いながら内側の谷口ラインを目で牽制、三人が下がりきったと同時に上昇し、先行態勢をとったのが打鐘すぎ。(うん、かたちだけは出来たかな)と微かな期待を抱いた俺を嘲笑うように、大洞-岩本は引かずイン粘り、森安-近藤に併せた。(こんなとこで競るんだ・競られるんだ……)と脱力する俺――。緩めた山本の上を谷口ラインのカマシでピッチがぐんと上がり、完全に終わった。
車券の負け方がわるすぎる――! こりゃ最終の決勝も駄目じゃなかろうか――? そう想った時点でギャンブルは下降線をたどる。案の定、決勝の俺の講釈で及第点をもらえるのは眞杉匠と町田太我の八着九着ぐらいのものだった(冗談口だが、八九着を当てる二車複があれば絶対一番人気だ)。
昔、カーネギーの『道は開ける』を読んで、いたく影響され、進路を変えたF君はきっとどこかで成功しているにちがいない。あまり感化されなかった俺はといえば、毎度馬鹿馬鹿しいお話しばかりで、ギャンブルの小道すら開けない。
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