ああ、おれ最近、自主制作の映画みたいな車券ばかり――インディーズの音楽っぽい車券ばかり――買っているなと思う。自主映画もインディーズ音楽もこの今ではなく四十年以上前のそれで、どちらも私の血にも肉にもなっているだろうから、仕方ない。
ああ、おれ最近、遠回りの車券か近道の車券、中間がないなあとも思う。車券の遠近法――わけのわからないことをつぶやいてみる。
おれ、最近、早指し将棋みたいな車券の買い方をしている――将棋もろくに知らないくせにそんなことも考えた。
かっこ悪い予想を避けようとしている気もする(十分かっこわるい予想をしているって?)
車券にマイナーもメジャーもないが、最近、暗い車券を選ぶ傾向にあるかもしれない。競輪には、車券には、笑いの感受性も必要だとか、わかったようなことを吐きながら、あかるくない車券を買っている。
私の大事な人が半身の自由を失って久しい。耳も相当に遠くなった。携帯電話を操作するのも億劫らしい。
だけど明るい。車椅子の散歩中にはすれちがう人みんなに声をかけたり、動く方の右手を上げたり。なぜだか犬まで飼い主を引っ張るように大事な人に近寄ろうとする。もしもしフォン(チャットGPSだかGPTだか知らんが、そんなものより格段の優れものである)で「さすがだねえ、犬にまで顔が売れている」と声を送ると、「そうだぁ。外に出たときは誰にでも声をかけるから」「さっきの人も知っているんだ?」「知らない。忘れちゃうから。でもむこうが顔を覚えてくれるから」――やっぱり私の大事な人だけのことはある。自分が明るくならなきゃ相手が明るくなるわけもない。何年も何十年も私のお手本であり、私には到底できない所行を日々自然にやりつづけている。
大事な人と大昔に見て聞いたテレビコマーシャルの一節に「あかるいナショナル~あかるいナショナル~」というのがあった。家電大手のコマーシャルである。
あかるい車券を買うにはあかるい人間になるしかないのだろう。
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