――記念競輪の優勝回数は九十九回を数える。選手生活二十九年目を迎えた神山雄一郎が、地元・宇都宮でメモリアルの記念競輪通算百V達成へ――。と某紙が書いていた。
俺も「黒競」に一年、「青競」は二十八年目だから、競輪記者生活二十九年目となるので、ほんのりとした「同期」気分を許されたし。レジェンドの稼いだ賞金には桁違いに及ばない俺だが、路頭に迷うこともなく、何とか食えているのは“ツキ一本”のなにものでもない。
眠気との闘いのような運転手稼業に耐えられたのは、競輪があったからだ。午前中だけのおそろしく単純な軽作業。定職にも就かずフラフラしていた数年も、競輪があるから大丈夫だった。
結婚生活が破綻し、負のエナジーに困憊しているときでも、俺は競輪のことを考えていた。
大ファンだった巨人軍のスタメンを言えなくなったのは、或る日を境に俺の過半を競輪が占めるようになったからだろう。
競輪があるから、競輪があったから、住所不定・無職・低収入でも暗くならずにすんだ。
颯爽と自転車をこぐ神山雄一郎の凛々しいフォームと、ドラマ「北の国から」の劇中、懸命に走る、中嶋朋子扮する蛍の体躯の傾きが、俺は好きだ。
ブログ
最近のブログ
- 大河ドラマは豊臣兄弟、年頭の記念は脇本兄弟~和歌山記念「反省記」 2026/01/12 23:21
- 終審にて終了~和歌山記念決勝観戦記 2026/01/12 17:20
- 強風の日は自力と自力~和歌山記念決勝 2026/01/11 18:50
- きれいなスローイングとケンコーボール~和歌山記念開幕 2026/01/09 18:56
- 競輪なんだなあ、イン切りなんだなあ~立川記念決勝観戦記 2026/01/08 10:23



















