S班の深谷知広-S班同等の郡司浩平の後ろを、内S班の清水裕友-S班の松浦悠士と外一班の松谷秀幸-一班の堀内俊介で競る展開になった。三番手はけっこういい競りになった。松谷よくがんばった。四番手の堀内は簡単に退かされた。結果は大楽展開になった郡司の優勝。競り勝った清水-松浦がそのままに二三着に流れ込んだ(清水-松浦を巧追の恩田純平も四着にしっかりつづいた)。
松浦が郡司を制しSを取り、清水を迎え、二人で人気本線の三四番手の内で粘る。こういう競輪過去に見たことがあるな。レースの途中からふっと思った。レースが終わってからもずっと思っていた、見たことある、それも一回や二回じゃない、もっとだ、と。だからデ・ジャ・ヴ「初めてなのに見た記憶がある」既視感とは異なる。ヴ・ジャ・デという造語があるらしい。「よく知っている事柄なのに初体験のように新鮮に感ずる」という場合に使われるという。
一回や二回じゃないと前述したが、もっと多くの数の今日みたいな競輪を見ているはずだ。むろん幾度見ても常に新鮮に思うわけではない。ないが、今日の川崎記念決勝に関しては私にとって「ヴ・ジャ・デ」であった。
川崎決勝が始まる五分前に走った名古屋FⅠ初日の最終〈S級特選〉に平原康多の名前があった。山田久徳の先行一車みたいな番組だった。押さえ(叩きに?)行くも突っ張られた平原は番手の椎木尾拓哉と競った。外で凌いだはしのいだけど先行する山田からは大きく車間が空いてしまった。元S班の道は総じて厳しいもの。平原とて例外ではなかろう。が、こと郡司に関してはその心配に及ばない。
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