競輪祭ガールズグランプリトライアルは二日目を終了して決勝進出14名が決定、ともに連勝の高木真備と梅川風子の激突は大注目だ。

9Rは動きなく一本棒のまま打鐘を迎えてなんとなく前受けした③山原がやっぱりそのまま逃がされる。

3番手で②佐藤水菜が車間を切って仕掛けのタイミングをはかるも後ろが⑤梅川ではいかんともしがたい。

結局残り一周あたりから水菜が前との差を詰めていくがここで⑦太田りゆは④小坂の内を掬って1車追い上げる。

水菜の捲りに番手の①大久保も応戦、しかし水菜の上を梅川が軽く捲っていく。

りゆは梅川のさらに外では間に合わないと思ったのか、内を突こうとするが進路がなく結局外に出してようやく捲り追い込んでいく。

梅川は捲り快勝、水菜→大久保の前残りかと思われたが直線で大外強襲のりゆが②着に届いて水菜は③着となった。

梅川は文句なしの連勝、当トライアル連覇はあくまでも挑戦者だったが今回は明らかに立ち位置も違うし勝つべくして勝っている。

真備との頂上決戦は大いに楽しみ、今の充実ぶりなら逆転も十分だ。

あえて申し上げればこれまではここ一番で逃がされる形になっているのでそうならないように組み立ててほしい。

りゆはレースはヘタクソでとても見ていられないがそれでも最後に見せた脚は間違いなく一級品、初日といい今日といい並の選手なら着外の展開だ。

決勝は間違いなく消耗戦になるだろうし真備と梅川が意識し合えば逆転のチャンスはある。

水菜は梅川の前では運行も難しいし引きつけ過ぎてもよさが出ない。

梅川には捲られてしまったが大久保との③着争いを制して辛うじて決勝入り、二日目のほうがポイントが高いシステムに生かされた。

大久保も好展開だったが最上位クラスで力勝負は分が悪い印象、ねじ伏せられてしまった。

10Rは④小林優香が前受けはちょっと意外な初手、①真備は絶好の3番手で⑥鈴木美教がうまくその後ろを確保する。

動きなく打鐘を迎えて優香はおそらく⑦吉岡の叩きを期待、後方を確認するのにやや外に出したところをすかさず真備が掬って結局は飛び出した吉岡の番手に嵌ってしまう。

優香はその後ろに入り直そうとするが美教もなんとか真備後位を死守、その後ろになった優香が最終バックで強引に捲っていくももちろん真備も満を持して発進する。

ピンチの優香だが一見苦しいところからでもグイグイ伸びてくるのが本来の持ち味、外並走になりながらも食い下がりさらに脚をためていた⑤奈央もこれに続く。

真備は番手捲りで押し切り余裕の連勝、優香は最後は一杯もなんとか②着を確保して③着は終始真備マークの美教と最後に突っ込んできた奈央が同着で分け合った。

真備は連日圧倒的な強さ、位置取りもまったく隙がないし脚も度胸も満点で何も注文はない。

いよいよ完成の域に入ってきた印象、総合力で飛び抜けていてちょっとレベルが違うようにさえ見える。

優香は真備に内を掬われて苦しい展開も力でしのいで決勝進出、周りのレベルが上がって以前ほど圧倒的な存在ではなくなったが久々に力強さが出ていたのは好材料だ。

美教は初日は梅川で今日は真備をジカマーク、今日は外枠がどうかと見ていたが②成田がスタートが下手すぎるのもあり簡単に真備後位に収まった。

連日やるべき事をしっかりやって決勝進出、よほど狂わなければグランプリも大丈夫か。

奈央はやはり勝負所でもたつくが最後は優香の捲りに乗って猛追、うまくスピードに乗せられるといい脚を長く使えるしゴール前は優香より勢いがあった。

こちらも大逆転で決勝へ、二日目のポイントが大きいので大久保を上回った。

11Rは打鐘で今日は④奥井が本来の先行策、これに併せて出た⑥久米が後位で粘って奥井を追った⑦坂口と立ち遅れた③小林莉子は外に浮いて苦しくなる。

小倉の後ろは内の久米→⑤黒河内と外の坂口→莉子で並走のまま残り1周、奥井としては後位をもつれさせたのはいいが強い自力形②柳原①尾崎が終始後方で脚をためており隊列が短くなったことで絶好の捲り頃になってしまう。


二角あたりから莉子も捲ろうとするがその上を柳原→尾崎があっさり通過、前の柳原そのまま押し切って尾崎が②着となった。

あとは離れて奥井が残ったかというところに久米が強襲、わずかに交わしてこれが③着に入った。

柳原は見事な一発、展開も向いたのは確かだがこれまで大きなレースでは苦戦が続いていただけにようやく結果が出たのは自信になるだろう。

尾崎は柳原を交わせず、今日は展開が向いて②着にはなったが連日狙い過ぎて後方に置かれているのはいただけない。

久米は今日も抜群の動き、上位2車とは差が開いたものの最後はきっちり奥井を捕らえておりデキは申し分ない。

瞬発力勝負では分が悪いだろうがもつれるようなら決勝でも押さえてみたくなる1車だ。

あとは奥井はやはり逃げてこそ、隊列が短くなって捲られたが本来の持ち味は出ていた。

12Rは③石井貴子（千葉）が前受けしてしまって嫌だなと思ったていたら案の定、これだと他に差されるとは思えない④児玉は前だけ見てレースができるので楽だ。

貴子→⑥加瀬→⑤當銘の後ろで車間を切っていた⑦尾方が打鐘の2センターから発進、貴子は最終ホームで尾方追走の②奈良岡を捌いて尾方後位に入ろうとするが差が開いてしまう。

児玉は懸命に前と差を詰めようとする貴子を最終バックで軽々と交わすと尾方も交わしてあとは独走、児玉に離れた①荒牧だが内をスルスルと上がっていく。

児玉は大楽勝、結局貴子は全く車が出ず尾方が残って②着となり内を突いた荒牧が③着に入った。

児玉は順当に連勝、何度か差されている貴子が今日は自力勝負を選択したのでやりやすかっただろうしあとはいかにもメンバーが軽い。

尾方は先行勝負で堂々の決勝進出、児玉には捲られたが貴子を交わさせなかったのは評価できる。

やはり前評判通りの逸材、これから楽しみだ。

荒牧は児玉にちぎれた後のリカバリーで③着確保、しかしこれは明らかに四角で斜行して當銘を妨害しているように見えるので審議にすらならなかったのはいかがなものか。

貴子は完全に作戦ミスだし連日申し上げているようにすでにこのクラスで自力勝負はかなり怪しい。

一連の好成績はほとんどが初手から児玉マーク、今日は尾方を使おうとしていたのだろうがこれすら交わせないのではちょっとだらしなかった。

11/20
小倉9R
①細田愛未　　108埼玉▲
②小坂知子　　104岐阜
③吉岡詩織　　116広島
④石井寛子　　104東京◎
⑤大久保花梨　112福岡○
⑥山原さくら　104高知△
⑦成田可菜絵　112大阪

全くいいところがなかった面々のレースなので評価も難しいが（苦笑）、単調な組み合わせになれば④寛子が大きく浮上する。

相手は惜しくも予選落ちの⑤大久保、あとはどれもいまひとつだが好枠で①細田と最後に⑥山原にも忖度しておく（苦笑）。

三連単
④→⑤＝①⑥

小倉10R
①小林莉子　　102東京▲
②黒河内由実　110長野
③加瀬加奈子　102新潟
④當銘直美　　114愛知
⑤坂口楓華　　112京都◎
⑥奈良岡彩子　104青森△
⑦奥井迪　　　106東京○

二日目は苦しい展開になってしまった⑤坂口だが最後はしっかり決めたい。

相手は逃げる⑦奥井と動きは不満も実績で①莉子、最後に連日印をつけたので⑥奈良岡が押さえ。

三連単
⑤→①⑦→①⑥⑦

小倉11R
①小林優香　　106福岡△
②鈴木美教　　112静岡
③佐藤水菜　　114神奈
④高木真備　　106東京○
⑤太田りゆ　　112埼玉◎
⑥鈴木奈央　　110静岡
⑦梅川風子　　112東京▲

正直すでに児玉より④真備のほうが強いと思っているし⑦梅川もそれに近い存在、その他のメンバーも明らかにこちらのグループのほうがレベルが高い。

注目の2強対決だがお互いが意識すればするほど「第3勢力」にもチャンスが出てくるもの、叩き合うわけではないが組み合わせ的にも重厚なタイプが揃い厳しい流れが予想される。

それならぜひ狙ってみたいのが⑤りゆの一発、ここで逆転があっても驚かない能力の持ち主だしレース運びの拙さには目を瞑ってもつれたところを快速捲りでひと飲みに期待してみたい。

相手はもちろん真備と梅川、最後に底力で①優香も。

三連単
⑤→①④⑦

小倉12R
①児玉碧衣　　108福岡◎
②荒牧聖未　　102栃木　
③久米詩　　　116静岡○
④尾方真生　　118福岡
⑤尾崎睦　　　108神奈▲
⑥石井貴子　　106千葉△
⑦柳原真緒　　114福井

①児玉で順当、消耗させられるような展開にはならないだろうしこちらの組み合わせなら「いつも通り」でよさそうだ。

相手にぜひ買っておきたいのは③久米、まさにフレッシュで勢いがあるしデキは最高潮だ。

あとはやはり⑤尾崎と⑥貴子。

三連単
①→③＝⑤⑥

競輪祭本編は脇本雄太が残念ながら欠場、新田祐大は連勝を飾ったがそれ以上に目立ったのは逃げて平原康多らを完封した松井宏佑だろう。

これはかなり楽しみ、決勝まで上がってくるのではないだろうか。